Lyric

誰も知らないし箔も付かないな

色が褪せるって評論家風情が言う

沁み入る時間は豊穣の所作

余り有る非凡な情動

もうちょっと見せてほしい

聞かせてほしい

とか我儘かな

じゃあもうちょっと生きてほしいって

平凡な願いだけ叶えて

あなたが吸って吐いている

季節と景色と声に応えたフリして

眼をチャコールで塗っている

何も見ないよ

憧れちゃわないように

逃げて今日を揃えている

地に脚が着いた気持ちに溜息

誇らしいと思っていない不純な心だ

延長にあなたは居ない

溢れた水に嘆いている間に

ポラロイド構え表層を注視する

映る光の七色交差さえ捉え得る非凡な情動

「もうちょっと見せてほしい」

「聞かせてほしい」

とか言われてもさ

そこにある記号以外は何も見えないよ

ねぇ

描くストーリーを看取っている

きっといつか遠く進んでいくだろうし

どうかお体は万全に

その愛と世界をいつまでも見たいだけ

前を向いて歩いていたい

登場人物だって務められるように

だからどこかで聞いていて

道は違うし出会うこともないが

あなたの前では笑っていたいから