歌詞

泥濘む土を歩く

或いは泳ぐように、這いずるように、沈むように

果ての無い夜

その淵にあなたが落としたものがある

風を受け立つ木々の根を喰む虫たちと

それを乞う者たちの叫び声に

色を付けてハーモニーにして

わたしは曲を編む

奏で合うわたしと星空のオーケストラ

いま、月のタクトから流れる、尾を引く

不思議な表情でも口を衝くのはメロディー

渡し守の居ない夜 あなたと出逢う

弓形の光 包まれて眠る命

そっと、起こさないでね 静かに抜け出すのさ

涙の湖、星空のオーケストラ

まだ、風のフィルを待つ静寂で微かに

不思議な言葉で耳を擽るメロディー

渡し守の居ない夜 ソリストを待つ

踏み締めるように唄う 優しいあなたの瞳

悲しい事など無いと震える声にも

確かに聴こえるひとつの

立ち止まるならそこでピアノを弾こう

移る宙はメトロノーム

あなたとわたしと星空のオーケストラ

ほら、あなたが落とした涙を返すよ

蝋の翼でも夜だからここまで来れたよ

だから、じゃあね この音をどうか憶えていて

渡し守の居ない夜 あなたと出逢う