

ずっと探してた 誰かの余韻
部屋に残る 柔軟剤みたいなにおい
息するたびぶつかる記憶
名前はもう 呼べないけどさ
未読の「おはよ」見たまま
喉の奥で言葉つまらす
カーテン越しの午前3時
スマホに映る ワタシの目だけ起きてるし
煙の代わりにスクロール
記憶も感情もフリーズモード
キミといたときの空白が
通知も鳴らさず責めてくる
「この曲すき」って言ってたね
そのプレイリスト未だ消せない
ノイキャン越しのアンダートーン
リズムじゃなくて残像
真夜中のコンビニ
手つなぎのシンメトリ
昼間のスーパーが地獄みたい
知らんふりするのが痛すぎた
ワタシ、怖かっただけだよマジで
洗ってない食器の下に
キミが置いたコンビニ袋
「片付けといて」って言えなかった
生活感に恋してたバカ
無言の缶チューハイ 1本
沈黙でラップする日常
「好き」とか「嫌い」とかどうでもよくて
隣にいる理由が薄すぎて
画面ロック、心ロック
解除できない気持ちがゴミ箱
「明日なにする?」すら聞けなくて
存在だけで、満たしてたのに
真夜中キスして
昼間すれちがうだけ
ラブホよりファミレスの方が
残酷って、気づいちゃった
ワタシ、ちゃんと恋してたんだってば
ねえ 忘れてた? 忘れてないよね?
あの傘、あの靴、あの駅の影
通り雨みたいだったキミ
乾かないまま ワタシが残った
もしまた出会っても
ちゃんと名前 呼ぶよって
今さら言ってもさ
もう間に合わないの わかってる
真夜中に会いたくて
真昼間にサヨナラって
肩並べて歩いた日々が
まだ、部屋のどっかで鳴ってる
ワタシ、もうちょっと強くなれたかな
生活感ってやつがキミで
生活って言葉がもうキツくて
洗濯機まわしながら泣いた火曜の午後
誰にも見せなかったあの顔
通り雨みたいだったキミ
降って、止んで、乾かなくて
いまも少しだけ
濡れてるままの ワタシがいる
- 作詞者
Canonè
- 作曲者
Canonè
- プロデューサー
Kurojun
- ボーカル
Canonè

Canonè の“痛々しいラヴ”を
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痛々しいラヴ
Canonè
『痛々しいラヴ』は、魚喃キリコの同名短編集からインスパイアされた一曲。
等身大の日常、切ない恋の余韻、言葉にならない心の揺れ。
言葉にならないまま残る痛みと愛しさを、余白を残すリリックとチルなビートでそっとすくい上げる。
“痛々しさ”をそっと抱きしめるCanonè流のラヴソング。
アーティスト情報
Canonè
Canonè(カノン) は、"生々しいロマンティック"をテーマに、恋や孤独、日常の温度を綴るチルラップ系アーティスト。 カノジョの音楽には、過剰な演出も、ドラマチックな起承転結もない。日常から切り取った記憶たちがそこにある。 ウィスパーボイスで紡ぐリリックと、"キミ"と"ワタシ"のちょうどいい距離感。 恋愛を歌っているようで、なにげない日常を綴っている。傷ついたとは言わず、曖昧に濁して済ませる。その"抑えたままの感情"が、言葉にならずに残る。
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