Lyric

一緒に夜を越せなかった

返事はそれでじゅうぶんだった

鏡の泣き顔 換気扇の音

案外夜は短かった

知らない今日が始まっていく

取り残され置いていかれてたまるか

自転車を叩き起こして一晩分の涙と

かかえきれない洗濯物と

グシャグシャな想いを載せて

午前4時のコインランドリー

夜が名残惜しい朝が恋しい

うっすらシミになりかけた

君の笑顔も洗い流すランドリー

言葉にしなくて良かった

大人の恋はお互いの目で

腕で脚で語るものだと思う

冬の鍵重く掛かった

窓を開けてみよう

気づかないふりしているうちに

春がそろりと部屋へ忍びこむ

背中を押す風は緑

心のすき間が小さいうちに

まぶたに刺さるグリッター

頬に落ちる光流れた跡に

むせる粉洗剤 ソフナーの甘い匂い

薄暗い空気と洗濯機の音

かろやかな渦の中昨日を全部洗って

もう今日を生きるしかないんだから

午前4時のコインランドリー

君が名残惜しい君が恋しい

落ちないシミにならないで

君の笑顔も 君の手も

君の眼差し洗い流すランドリー