Lyric

傘をさすことも忘れて

雨に濡れた5月の夕暮れ

髪の先から落ちる雫の

行方をただ黙って見ている

朝の天気予報では

このまま雨は止まないと言ってた

いつまで私は此処にいるんだろう

透けていく素肌を

つたう水の雫を

優しい手で拭うアナタは

もういないのに

振り解けない

この感情は雨と一緒に

流れてしまえばいいのに

いらないよ　いらないよ

水溜に写る顔を

踏みつけたその足は

鎖でつながれたまま

歩き出せない

11月未明

午前3時。

冷たい風が肌を撫ぜる

アナタが触れた

この温かさがいつまでも

消えない

色褪せた思い出と

心に残る残像が

くいちがってまた

想いが行き尽くす

あなたの好きだった

空の景色は今も鮮明で

曖昧な三日月の輪郭を

雲が隠してく

振り解けない

この感情は雨と一緒に

流れてしまえばいいのに

いらないよ　いらないよ

水溜に写る顔を

踏みつけたその足は

まだ動き出せないの

振り解けないこの感情は

消したい思い出が愛しいの

アナタがまだ其処にいるの

壊れたあの日をもう一度

アナタの声が聴きたいの

聴かせてよ

もう一度

2月の晴れたいつかの日

風花が舞い上がり

掌へと落ちる結晶の

行方をただ黙って見ていた