※ 試聴は反映までに時間がかかる場合があります。
※ 著作権管理事業者等が管理する楽曲は試聴できません。
夜、心の奥底から絶え間なくノイズが湧き上がる。それはまるで、充たされた砂の袋が破裂するかのように感情が溢れ出す雨であり、無秩序。そういう感覚というのは、かえって自分が「輪郭を持った確固たる個体」なのだと、その質感を伴って痛感させてくる。今回の楽曲「But The Smoke, Vanishes」では、そんなエントロピックでありながらソリッドな人間の情動を扱っている。それぞれのセクションの詞は回文になっており、混沌とした意味的内容と、整然たる表象を両立させた。また、詞が回文であることによって、その言葉たちは文字を獲得せざるを得ない。この曲の支持体は空気のみならず、もしかしたら紙やスクリーンにだって姿を現すかもしれない。この曲も「音」という空気の揺れだけでなく、質感を伴う個体である可能性を秘めているのだ。ネオアコやポストパンク、現代音楽からの影響も感じさせるサウンドは、この曲の持つ感情的なニュアンスをペシミスティックにならないバランスで書き出している。カップリングには、1st Single「怪物」のStudio Liveバージョンが収録されている。
東京を拠点に活動する作曲家、ギタリスト、歌手である林空良のソロ・プロジェクト。 カルチャーレーベル『whitecubeproducts(WCP)』の一員として、既存の枠組みに囚われない作品を制作している。 2005年生まれ。
WCP Recordings