生きる風景のジャケット写真

歌詞

夕陽

中山将

18時

私は今

初夏の懐かしい街にいる

2番線のプラットフォーム

カメラをそっと手にする

都会にも少し慣れたわ

仕事もなんとかやっているよ

だけとそこで撮るフイルムは

この街とは少し違う

駅の階段上り切って

ほんの少しだけ汗をかいた

蜩が遠く鳴いて

陸橋の上で見た故郷

あの日と同じ夕陽が

そこにはまだ揺れていた

変わらないでくれたんだね

それがとても嬉しくて

凛と背筋を伸ばし

シャッターを押した

晩御飯

母の涙

遠い日の

叶わぬ恋

坂道を登る足音

小学生の絶望

あの痛みも切なさも

大丈夫、

ちゃんと思い出になる

夕凪に佇めば

はたと蘇るよ

美しく

あの日と同じ

夕陽が

そこにはまだ揺れていた

変わらないものがあるだけで

この心は救われる

あの日見た夕陽に

私は生かされた

独りぼっちになっていく様で

こわくてこわくて仕方なくて

それでも私にこの場所は

優しくて

涙が出た

あの日と同じ夕陽が

そこにはまだ揺れていた

変わらないでくれたんだね

それがとても嬉しくて

あの日と同じ夕陽は

今でもまだ美しいよ

いつでも味方でいるよ

あなたの声が聴こえた

涙が止まらなくて

カメラを下ろした

あの日見た夕陽と

私は生きていく

  • 作詞者

    中山将

  • 作曲者

    中山将

生きる風景のジャケット写真

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2013年にリリースされた通算2枚目のアルバム。広沢タダシをプロデューサーに迎え、詩人中山将のポエジーを重厚な音に昇華させた。
"隕石が落ちた夜に”は全編ポエトリーリーディングの曲。”夕陽””海の恋文”などの美しき原風景を音楽へスケッチした名バラード。”僕のおじいちゃんは公園に住んでいる”のアヴァンギャルドな詩世界。
敬愛するシンガーソングライター、ニック・ドレイク愛用のGUILD M-20というアコースティクギターで弾き語る''決意''。
’’そしてあなたに会いにいく’’は広沢タダシとのアコースティックセッション。
表題曲の’’生きる風景’’は部屋でのギター弾き語りによる一発録音。
柔らかな歌声、メロディメイカーとしての妙技、シニカルなアコースティックギターの音色、広沢タダシと共に作る普遍的なバンドアンサンブル、通底する文学性とポエジー。
シンガーソングライター中山将の様々な要素を堪能できる作品だ。

アーティスト情報

  • 中山将

    1988年岐阜県岐阜市生まれ、ピアノの講師をしていた母と、フォークソング好きの父を親に持ち、音楽と共に育つ。高校からアコースティックギターでの弾き語りと作詞作曲を本格的に始める。 大学では日本文学を学び「詩」へ精通していく。 現在は妻、息子二人と暮らしながら。じっくりと演奏活動を実施している。 1stアルバム「鈍行列車の窓から僕らはハレー彗星を見た」 、2nd「生きる風景」(広沢タダシプロデュース)、3rd「TINYRECORD」と3枚のアルバムをリリース。 柔らかな歌声、メロディメイカーとしての妙技、シニカルなアコースティックギターの音色、繊細なポエトリーリーディング。「詩」へのこだわりを持った音楽表現。 唯一無二のジャパニーズシンガーソングライター。

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