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「一般社団法人こころを伝える歌の木を植えよう会」が内閣府の後援、自衛隊音楽隊の協力を得て主催する「全日本こころの歌謡選手権」で歌われる課題曲アルバムである。コロナ禍の中ではあったが、全国から作詞を募集し、入賞した課題詞に作曲、歌唱コンテストを行う「第2回こころ歌創作コンテスト(2021)」で、新たに生まれた課題曲4作品である。これに、法人推薦曲2作品を加えて6作品の「課題曲集CDVol.3」が出来上がった。参加アーティスト萩原千晶/横井則子/林彦賓/酒井博/岡本京子/希佑美
1「福島の光 ~百年後の君へ!~」(萩原千晶)
東日本大震災のあとおびただしい数の激励のメッセージが世界中から寄せられた。この歌もその一つではあるが、百年後の人たちへのメッセージの形をとっているのがユニークな作品。「福島の光を会うことのない百年後の君へ!」萩原千晶がシンガーソングライターとして人気を勝ち取る代表曲になりそう。
2「空とゆびきり」(横井 則子)
指きりげんまん嘘ついたら針千本のーます!指きった。一定の年齢以上の人なら誰もが覚えているだろう。いまの若い人たちはどうだろうか。童謡のようなノスタルジックな楽曲である。いつの世も幼な子の記憶の中でいきいきと存在しているのは母親である。父親の影は薄い。横井則子がこの詞に寄り添って歌う優しさに多くの聴衆が癒される。
3「わすれな草のメモリー」(林 彦賓)
愛する人と死に別れて、その人の声を年に一回、留守番電話のアナウンス「留守にしております」で聞く。それをもう18回も繰り返している。こんなに愛されるってどういう二人なのだろう。部屋の中も読みかけの旅行雑誌も18年前そのままなのだ。羨ましいと感じるか、息苦しくなるかあなたは?そっとささやくような林彦賓のハイトーンがミリョク的。
4「影法師」(酒井 博)
創作コンテスト作詞部門の審査員が不覚にも号泣してしまったという作品。上手いとか下手とかの次元ではない人としての本質に関わるような詞。連れ添った伴侶に先立たれたが、いつもついてくる。いつも左側にいる。50年一緒にいてついに好きだと言えなかったと嘆く。悲しくてつらくて、それでいて温かくて、何の涙かわからぬ水滴が溢れ出る。酒井博の歌声が、この物語に哀愁を注ぐ。
5「December Love(老いらくの恋)」(岡本 京子)
長寿を望むなら、恋をするのがいいと何かの本に書いてあった。老いらくの恋はその昔川田順なる歌人と人妻歌人の道ならぬ恋騒ぎで流行った言葉。英語では十二月の恋。作曲者の小田純平は「愛を求めて女は生きる灰になるまで」の下りがいいとつぶやきながらギター手に曲をつけた。岡本京子の魅力的な声が、大人の歌にぴったりの注目作品。
6「甘柿 渋柿 みんな柿」(岡田 恵美子)
北海道は気候の関係か柿はならないらしい。東北人である作詞の堀越そのえの故郷の記憶にはたくさん柿の木や柿の実が出てくる。晩秋どの柿の木にも二つ三つ実が残っているのは、鳥たちと旅人が飢えないようにするためらしい。形が良く甘くて大きい柿は親しみを感じない。渋くていびつです柿、そうみんな違っていいのだ。あっさりとして、それでいて愛らしい歌声で沖縄出身の希佑美がこれを歌唱するのもこころ歌ならではの作品。