巣箱の陰には温度なく 木目が次第に閉じてゆく
黒板から飛び出た自己嫌悪 カビが喜んだ隙に 扉を閉めた
百葉箱には人がいて 蛍の帰りを待っている
砂場に憑き離れぬ教師の霊は 心持たぬが「綺麗」と言った
港遥々威を借りて蛙は教室から飛び降りた
家に帰れぬまま日が暮れた暗い倉庫にて眠る
広場の端には虫が住み 小言を呟き嫌われる
朝礼台登った顕示欲 旗振れば雨が止んで 土竜は消えた
廊下の奥には蝶が飛び 道行く百足に笑われる
醜いなど分からぬ子どもの眼には それは恐らく命に見えた
割れたガラスの窓が閉じ 親がどこからかふと呼びかけた
「また明日にしましょう 一昨日を」 下駄箱から膿が出た
皆さあさ座りや前を向き 学び舎から聞こえる雑音が
蛙の脳味噌まで突き刺さり 暗い倉庫にて眠る
- 作詞
朝乃孤月
- 作曲
朝乃孤月
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蛙は放課後、倉庫にて
朝乃孤月
アーティスト情報
朝乃孤月
アサノコゲツです。
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