Lyric

僕はまだ　君の通知領域の外

明るい画面の裏に　見えない行列

「既読」は通貨　「返事」は抽選

笑顔一つで　僕の心はアプデ中断

朝焼けのクラッシュログ

エラーコード：未定義の優しさ

君がくれた無償API

甘くて　毒入り

デフォルトの好意

インストールされた曖昧さ

強制サブスクみたいな愛に

解除ボタンは存在しない

更新して、それか終わらせて

この感情、もうバグってるから

「好き」がライセンス制なら

もう割れたまま使い続けるよ

再起動して、それか削除して

心が残したログが重すぎる

未送信フォルダの“会いたい”が

そろそろ破損しそうなんだ

君の傘に入ったのは偶然だった？

それともベータテストの仕様だった？

開かれたその優しさは

他人にもコピーできるパッチ

期待という名の課金通知

バイブが鳴るたび、心が震える

「君の設定が変わっただけ」と

僕のバグにされる未来

愛のバージョンはいつもβ

正式リリースは未定のまま

更新履歴に僕の名前が

一度も載っていないとしても

更新して、それか終わらせて

君というOSに侵されて

「ちょうどいい距離」で飼われるなら

いっそ、強制終了して

期待値だけの通知地獄

本音はサンドボックス内

アンインストールできない感情が

また脳をバグらせる

雨の夜　傘の下

君が微笑んだ、あの一瞬だけで

全感情が暴走した

僕はもうサーバー落ち寸前だった

更新して、それか終わらせて

このプログラムに意味をくれ

仕様どおりの曖昧さなら

せめて最後にエラー音を鳴らして

バグってるままでもいい

君が一度でも保存してくれたら

感情のクラッシュすら

愛だったと呼べるから