

『少女は力を欲していた。強大な、誰も抗えぬ程の力を。
彼女が忘れ去られた廃墟から見つけ出した物は、古の神が残した聖遺骸。
その神器に手を触れた少女は、その瞬間に昏倒し意識を失って。
けれど目が覚めたときに身体に宿っていたのは、
神の奇跡とでも言うべき力で――』
「これが、これこそが私の求めていた――!」
暗示めいた稚拙な 言葉が自我を搦めとる
生い繁った斑葉に身を委ねて 少女は即興で詠った
撃鉄は起こされた 滅びの幻想を堕胎して
両手で柄杓を模り感情を掬った
"終末への時計を持ってその針を回し続ける者がいる"
「そう。なら、まずはそれに加担してみようか?」
遺伝子がゼロから書き換えられた
そう錯覚する程に鮮明な覚醒
自由で不自由な 仄暗い旋律は深く
少女の心象風景へと響いた
『その聖骸に手を触れたものは、
他人の感情が旋律として聞こえるようになるという。
それが優しい感情ならば柔らかな戦慄を。
強い怒りならば激しい旋律を奏でて。
ある種の全能感は、少女を力に酔わせた――』
Ah... 感情を見通せるということは
その行動までも全て 見通せてしまえて……
ああ、一人の少女のそれは悲劇?
ああ、壊れた表情のそれは喜劇?
ああ、途方もない力に耽溺していくように
遺伝子がゼロから書き換えられた
そう錯覚する程に鮮明な覚醒
自由で不自由な 仄暗い旋律は深く
少女の心象風景へと響いて
狂い咲け 神の名を受け継ぎし聖女よ
先導者を求める人々を従えて
不純で純粋な 思想はまだ仕舞いこんだまま
Ah... 雌伏の瞬間をただ積み重ねた
どんな所業に手を染めたとしても 彼女には
それを咎めてくれる者は現れない
もう誰もいなかった――
『少女は古の神の名を継ぎ、
聖女アナスタシアと名を変えた。
力を利用しての預言の数々は聖女に相応しいもので、
多くの信奉者が集まるまでに時間はかからなかった。
けれどどんなに崇められようと、
所詮は地位なき怪しげな先導者に過ぎない。
そんな時、アナスタシアは遠いミラシュカの国を司る幼き王、
カタリナについての噂を耳にする』
「奇病を患う彼女にこの聖骸の力が表れたなら、きっと……。
――ふふっ、面白いことになりそう」
- Lyricist
Shoujo byou
- Composer
RD-Sounds
- Producer
Shoujo byou
- Vocals
Mitsuki

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少女病が送るオリジナルファンタジーアルバム『聖骸メロフォビア』
12人編成の重厚なストリングスに混声コーラス隊による幻想的な斉唱を重ね、生音を豪華に使用したシンフォニックロックで表現するのは、堕ちた偽装聖女と小さな楽園を巡る物語。
声優としては悠木碧、戸松遥が参加。旋律に彩りを添える。
ミラシュカの国を統べる幼き王は、音楽恐怖症【melophobia】という病に悩まされていた。普段は至って善良で、年相応に無邪気な幼い女王。けれど音楽を耳にすると酷い頭痛に苛まれ、人が変わったようになって……。
少女は神に祈る。
「いつか、小鳥達と一緒に歌えますように────」
Artist Profile
Shoujo byou
シンフォニックロックを中心としたファンタジックな楽曲を紡ぐサウンドプロジェクト【少女病】。 物語性・キャラクター性を前面に押し出した楽曲群で、アルバムごとに多種多様な色彩の音楽世界を描き上げる。 この瞬間にも、【少女病】という名の病は静かに拡散していく……。
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