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王道のカントリーバラード(smooth country ballad)や、過剰に攻撃的なトラップ(aggressive trap)、そして綺麗に整えられたポップスの様式美を徹底的に焼き尽くし、乾いた荒野の空気とストリートの重低音を直結させた新時代の「カントリー・トラップ」です。Lil Nas Xのバイラルな遊び心と、初期Billy Ray Cyrusの泥臭いカントリー精神が激突したかのような世界観。BPM94の心地よい鈍足のなかで、ザラついたアコースティックギターの3コードループと、丸みのある最小限の808ベース(minimal 808 bass)、そして不穏に響くウエスタン調の口笛(western whistle motif)が、圧倒的に風通しの良いワイドな音響空間を構築しています。
「間違った馬に乗ってしまったが、なぜか正しい道に辿り着き、そのままチャートを狂わせた」。そんな、ジャンルの境界線を鼻で笑うようなカウボーイの不敵なライフスタイル。鼻にかかったレイドバックなカウボーイボイス(nasal cowboy vocal tone)が、語りと歌の中間(half-spoken half-sung delivery)をゆらゆらと行き来しながら、サビ(コーラス)の突入と同時にステレオ幅が左右140%のパノラマへと全開放され、聴き手の脳内をハッキングします。
中盤のブリッジでは、すべての楽器が完全無警告で突如消失し、地を這う808ベースの地鳴りと「誰もこれが何か分かっていない、ただ乗っかっているだけだ」という平熱の独白だけになる過激な引き算を敢行。一瞬のビートの静寂から口笛一つで再点火したのち、最後は心地よいコード解決を拒絶し、アコースティックギターの最後の1ストラムの残響が途切れた瞬間にリミッターがゲートをプツンと遮断。余韻を1ミリも残さずスパッと完全な真空の静寂(instant cutoff)へと着地する、引き算の美学の極致です。
Negi0723は、感情の揺らぎと都市の空気感を繊細にすくい取るミュージシャン。 エレクトロニックとポップ、オルタナティブの要素を横断しながら、 きらめきとノスタルジー、衝動と内省が共存するサウンドを描き出す。 印象的なメロディと映像的なリリックが特徴で、 一瞬の感情や夜の断片を切り取るような楽曲世界は、 リスナーそれぞれの記憶や物語と静かに共鳴していく。 ジャンルに縛られず、感覚を信じて音を紡ぐ。 Negi0723の音楽は、日常と非日常の境界線をやさしく溶かしていく。