Lyric

花を捧げよ

素知らぬ顔をして

神の名のもととは口だけの

統べた全身の細胞が

今に力を取り戻してゆく

川のきはに咲く花々を

汝「そは夢なり」と言はむや

目の前なる八ツ橋は

痛くも今崩れ落つ

湖畔に咲く薔薇たちは

血も肉体も隠蔽して

豪華絢爛な玉座の裏

そのパトスを王にぶつけて

その力を肉に宿して

当たりあふ力の先

我らはそれに何を見むや

当たりあひし我らは

階を登るべからむや

登りしきざはしの先

我らはそれに何を見むや

仕へ奉りし我らは

階を落ち滾つ

素知らぬ顔をして

神の名のもとの正しさで

統べる全身の細胞を

力によりねじ伏せてゆく

群がり出す蠅たちは

血も肉体も貪って

飢えた甲板の上で叫ぶ

その力を王に授ける

飛躍を

当たりあふ力の先

我らはそれに何を見むや

当たりあひし我らは

階を登るべからむや

登りしきざはしの先

我らはそれに何を見むや

仕へ奉りし我らは

階を落ち滾つ

落ちてゆく乳母車とともに

人は螺旋へ導かれてゆく

当たりし地では階も毀れ

そこに花々は咲きわうのか

衝突する細胞たちの

間の血に花を

当たりあふ力の先

我らはそれに何を見むや

当たりあひし人々は

階を落ち滾つ

毀れしきざはしの先

我らはそれに何を見むや

袖をぞ濡らしける

我らは糸に結ばれたり

その怒りを（怒りを）

殺戮を（殺戮を）

傷口を（傷口を）

哀悼を（哀悼を）

朽ちた世界と結ばれて歩む

その先は細い糸が

俺たちを一つに

結びつけるのだろうか