リリース日: 2006/01/25
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2005年10月に新宿ピットインで行われた高橋悠治(piano,computer,voice)、渋谷慶一郎(keyboard,computer)、maria(computer)によるコンサート”dub lilac”を96khz,32bitの高音質で完全収録、渋谷慶一郎が精緻なエディットを施して20の断片を再構成することによって完成した究極のライブ盤です。高橋悠治の名曲「さまよう風の痛み」(1981)、ヨーゼフ・ハウアー(1883〜1959)のピアノ曲、渋谷のprophet-5によるシェーンベルグ、ケージの断片などを含む、演奏と作曲、即興とテクノロジーの交差する極めて高密度な傑作となっています。全20曲55分58秒。
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「内にこもったひびきをとりだすためのあやしげなふるい木の箱」(*)としてのピアノ。
そして、そこにひそんでいるひびきを内なる手順によって、もうひとつのひびきとしてとりだす、あやしげな小箱としてのコンピュータ。
そこは、自由に奏でられる音に満ちていた。
奏でられた「音楽」からふたたび「ひびき」をとりだすように。
それは、まるで音をひとつひとつ、気ままに箱の中からとりだすようであり、音は奏でられると同時に複数の多様な変化をへて、空間に放たれる。
ときおり、ある楽曲が断片的に演奏されるが、それは、くだけながら、やがて、もうひとつのひびきへとすがたを変え、こだましながら虚空へと消え入る。
そこには、より緩やかで自由な、音の発生の場がある。
これは、あやしげな箱をめぐる、3人の音への試行を記録したものである。
*ピアニストのためのコロナ/武満徹《高橋悠治/武満徹の芸術》ミニアチュール第3集 高橋悠治による解説より
畠中実(NTTインターコミュニケーションセンター[ICC]学芸員)
作曲家・ピアニスト。1938年生まれ。柴田南雄、小倉朗、ヤニス・クセナキスに学ぶ。1963~66年フランス、ドイツで現代音楽のピアニストとして活動、1966~71年アメリカで演奏活動とコンピューター音楽の研究。1972年に帰国し、74~76年武満徹らと共に作曲家グループ「トランソニック」を組織して季刊誌を編集。1978~85年「水牛楽団」で世界の抵抗歌をアレンジ・演奏、1980~87年月刊ミニコミ『水牛通信』発行。著書として平凡社から『高橋悠治/コレクション1970年代』『音の静寂 静寂の音』、みすず書房から『きっかけの音楽』『カフカノート』などが刊行されている。
音楽家。1973年東京生まれ、東京藝術大学作曲科卒業。2002年に音楽レーベル ATAKを設立。作品は先鋭的な電子音楽作品からピアノソロ 、オペラ、映画音楽、サウンド・インスタレーションまで多岐にわたり、東京・パリを拠点に活動を行う。 2012年に初音ミク主演による人間不在のボーカロイド・オペラ『THE END』を発表。初音ミクの衣装は当時Louis VuittonのデザイナーであったMarc Jacobsが務め、同作品はパリ・シャトレ座公演を皮切りにヨーロッパ中心に世界中で公演が行なわれている。2018年にはAIを搭載した人型アンドロイドがオーケストラを指揮しながら歌うアンドロイド・オペラ®︎『Scary Beauty』を発表、日本、ヨーロッパ、中東圏で公演を行なう。 2021年は新国立劇場の委嘱新制作にてオペラ作品『Super Angels スーパーエンジェル』の作曲を務め、アンドロイドとオペラ歌手、合唱、バレエダンサー、そして東京フィルハーモニー交響楽団と共演を果たした。2022年3月にはドバイ国際博覧会にてアンドロイドと仏教音楽・声明、UAE現地のオーケストラのコラボレーションによる新作アンドロイド・オペラ『MIRROR』を発表。2023年6月にはパリ・シャトレ座にて70分の完全版となる同作を初演、2024年6月には東京公演実現。 2024年4月にはMilano Design WeekにてLEXUSの展示で自身のサウンドインスタレーション『Abstract Music』を発表。 また数多くの映画音楽も手掛けており、2020年には草彅剛主演映画「ミッドナイトスワン」(内田英治監督)の音楽を担当。本作で第75回毎日映画コンクール音楽賞、第30回日本映画批評家大賞、映画音楽賞を受賞した。2022年には映画「xxxHOLiC」(蜷川実花監督)の音楽を担当。2022年にはGUCCIのショートフィルム「KAGUYA BY GUCCI」の音楽を担当。 テクノロジー、生と死の境界領域を、作品を通して問いかけている。http://atak.jp
ATAK