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「深緑」はただの曲ではない。
この曲の背後には、XILAの過去、大規模な大麻栽培組織のメンバーとして逮捕された時の経験が隠されている。その事件は、当時の国内大麻関連の事件として、最大級の規模であった。
監獄の中で、彼はこの壮絶な経験を綴った歌詞を完成させる。出所後も多くのプロデューサーと共に音楽制作を続けるも、この曲が公にされることはなかった。しかし、運命的な出来事が彼を待っていた。
10代のころからの旧友MACDとCHEHONとの制作ミーティングの中で、この曲の存在が再び注目されることとなった。その瞬間、その場にいた全員が稲妻に打たれたように、何かに導かれるように、この楽曲が持つ重要性、世に示すべきメッセージの大切さを感じずにはいられなかった。
今や多くの先進国で大麻が合法化の道を歩んでいる中、XILA、CHEHON、そしてその仲間たちは日本の大麻事情を強く憂いている。
この楽曲には、大麻の可能性を信じて逮捕されたXILAの痛みと主張、そしてCHEHONが「みどり」に託した不変の真意を、17年の長きにわたる時の流れを越えて、率直に表現している。
「深緑」は、現代の日本の社会問題を率直にとらえ、ヒップホップの精神、すなわち「現状打破」の意志を持つ数少ない楽曲である。
始まりは2004年、大阪はアメリカ村。その頃はのし上がるためには、金・暴力・背後を任せれる仲間が必要な激しい環境で、「ラッパーは不良じゃなきゃつとまらない」そんな環境でXILAはラッパーとして活動を開始した。 XILAの言葉はストリートの現状、夢、痛み、愛、そして反乱そのものだった。 ストリートの真実を赤裸々に表現するそのスタイルは、多くのファンから絶大な支持を受けた。 2009年、その熱い魂が彼を試練の場所へと導いた。大規模な大麻組織のメンバーとして逮捕収監されることとなった。しかしそれが彼を砕くことはなかった。逆に、収監された中で生まれた"深緑 feat.CHEHON”は、彼の闘争を鮮明に伝える音源となった。この音源は、彼が経験した困難や戦いを生々しく、そして美しく表現しており、多くのリスナーの心に深く響く作品となっている。 XILAのラップは、ストリートの生の声。グラフィティのように豪快に描かれつつも、緻密な表現で現実を描写する。ベースラインに乗る彼のFlowは、ホッピングするローライダーのように重厚感があり心を揺さぶる。 XILAはただのラッパーではない。彼はストリートの詩人、哲学者であり、その音楽は時代の声として多くの人々に届けられている。これからもその活動は続くことだろう。 ストリートカルチャーの真髄、不良文化の純粋さを感じさせる彼の音源は昨今のヒップホップシーンでは唯一無二の存在であり、今後も目が離せない。
MACD