Lyric

久しぶりに降り立った駅

生ぬるい夜風が頬を撫でる

土と緑と 誰かの家の蚊取り線香

懐かしい匂いが 胸の奥をくすぐった

改札を抜けて 見慣れた商店街

「おかえり」って声が 聞こえた気がして

ふと立ち止まる

あなたがよく買ってくれた ラムネの瓶が

今も変わらずに 並んでる

ささやかに過ぎてった 日常こそが

宝物だったと 今さら気づくなんて

パチパチと燃えた 線香花火の光

あなたの大きな背中で 見上げた打ち上げ花火

「綺麗だね」って呟く 私の頭を

黙って撫でてくれた その手の温もり

お父さん 今夜も空が綺麗だよ

実家の縁側 風鈴がチリンと鳴る

昼間の熱を吸い込んだ 畳の匂い

アルバムを開けば そこには

麦わら帽子で笑う 私とあなた

「いつかこの花火みたいに、大きく綺麗に咲けよ」

ぶっきらぼうに言った あなたの横顔

あの頃は分からなかった その言葉の意味が

今なら少し 分かる気がするんだ

言えなかった言葉が たくさんありすぎて

空に浮かべては 消えていく

パチパチと燃えた 線香花火の光

あなたの大きな背中で 見上げた打ち上げ花火

「綺麗だね」って呟く 私の頭を

黙って撫でてくれた その手の温もり

お父さん 今夜も空が綺麗だよ

素直になれなくて いつも困らせてばかりだったね

一番伝えたかった「ありがとう」の五文字

今、心の中で何度も何度も 繰り返してる

心の手紙　ちゃんと届くといいな・・

最後に落ちる 線香花火のように

命の光は 儚いけれど

あなたがくれた 温かい思い出たちが

私の道を ずっと照らしてくれてる

お父さん あなたの娘で 幸せでした

パチパチと燃えて 落ちた線香花火

夜空に咲いて 消えた打ち上げ花火

でも 心に灯る 「ありがとう」

届くといいな・・

パチパチと燃えて 落ちた線香花火

夜空に咲いて 消えた打ち上げ花火

心に灯る 「ありがとう」

届くといいな・・