歌詞

ねえ鳥よ、その羽で

幾つの梅（はな）を手折ったか偲ぶれようか？

ねえ鳥よ、その囀り（こえ）に

幾つの花が朝露に濡れたでしょう？

瞬きの間に時は移ろい

我が見し情景は

思ひ出の他になかきり

話し言の葉、耳にならはず

さりとて今も昔も

移ろわぬ空を見上ぐ

欠けた月が雲に隠れ

長夜の帳に待つ囀り

（no non）

そんな歌要らない

美しくない

そんなんじゃ靡けない

（no non）

そんなゴミ聴こえない

もっと歌ってよ

そんなんじゃ濡れないわ

衣も家も移ろい、我は

天下に置き往かれき

さりとて世は麗しかりき

月下に歌え、其は移ろわぬ

花と共に舞え、其は戸を開く音

（no non）

さる歌は要らず

麗しからず

さるには靡かず

（no non）

さる芥聴こえず

なお歌えよ

さる歌にはしほたれずよ

あな鳥や、その羽に

幾つの梅（はな）を手折りしや偲ぶべしや？

あな鳥よ、その囀り（こゑ）に

幾つの花が朝露にしほたれけむ？