

午前零時(ごぜんれいじ)
鐘(かね)が鳴る。
街灯(がいとう)が消え
時計の針が
止まった。
濡(ぬ)れた石畳(いしだたみ)
誰もいない路地(ろじ)
閉(と)ざされた店の
古いショーウィンドウ
壁(かべ)の時計も
駅の時計も
すべて同じ場所で
止まっている
ポケットの中で
小さな機械(きかい)
かすかな音を
立て始める
亡(な)き父が残した
銀色の時計
針(はり)が静かに
逆(ぎゃく)へ動いた
一歩進めば
街の時間が
割(わ)れるように
揺(ゆ)れていく
誰もいない
はずなのに
背後(はいご)から
足音(あしおと)がする
灰色のクロノグラフ
時を越えて
止まった街を
駆(か)け抜けろ
失(うしな)った昨日を
取り戻すためじゃない
まだ来ていない
明日を探す
灰色のクロノグラフ
針を回せ
壊(こわ)れた秒針(びょうしん)を
動かして
誰にも知られない
この一瞬(いっしゅん)を
私は決して
手放さない
古い時計塔(とけいとう)
螺旋(らせん)の階段
壁には何人もの
時計職人(とけいしょくにん)
名前の下に
刻まれていた
同じ日付(ひづけ)
同じ時刻(じこく)
階段を上るほど
耳鳴(みみな)りがする
やがて見つけた
巨大な歯車(はぐるま)
その中心で
ひとりの少女が
目を閉じて
立っていた
「お願いだから
ここから先へ
来ないで」
初めて聞いた
少女の声
その手には
私と同じ
銀色の時計
灰色のクロノグラフ
時を越えて
隠(かく)された真実(しんじつ)へ
踏(ふ)み込(こ)め
誰かを救(すく)うために
誰かを傷つける
そんな未来なら
選ばない
灰色のクロノグラフ
針を回せ
たとえ世界が
変わっても
自分で選んだ
この一秒(いちびょう)を
最後まで
信じてみたい
時計が鳴る。
一回。
二回。
三回。
少女が顔を上げる。
「お父さんはね……」
「時間を止めたんじゃない。」
「戻したの。」
その瞬間。
街中の時計が
一斉(いっせい)に
動き始めた。
灰色のクロノグラフ
走り出せ
止まった街を
飛び越えて
父が残した
最後の答えを
この手で確かめに行く
灰色のクロノグラフ
針を回せ
過去へ戻るためじゃない
まだ誰も知らない
新しい時刻(じこく)を
この街に刻(きざ)むため
午前零時。
止まっていた街に
朝の鐘が鳴る。
少女は懐中時計を閉じて
初めて笑った。
- 作詞者
夏目そら
- 作曲者
夏目そら
- ミキシングエンジニア
夏目そら
- ギター
ポン汰
- ドラム
ポン汰
- キーボード
ポン汰
- ボーカル
ポン汰
- ピアノ
ポン汰
- その他の楽器
ポン汰

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ストリーミング / ダウンロード
- 1
黎明の誓い
夏目そら
- 2
蒼天のレクイエム
夏目そら
- 3
紅蓮のアリア
夏目そら
- 4
蒼き神殿
夏目そら
- 5
紅の剣
夏目そら
- 6
星喰む聖女
夏目そら
- ⚫︎
灰色のクロノグラフ
夏目そら
- 8
雪原のエレジー
夏目そら
- 9
ヴァルキュリア・コード
夏目そら
- 10
Celestia
夏目そら
**『黎明の誓い』**は、壮大なオーケストラと力強い女性ボーカルを軸に描かれる、幻想的でドラマティックなファンタジー作品です。
天界から地上へ降り立つ女神、失われた記憶を追う少女、戦場へ向かう女性戦士、そして時を越える古い時計――。
美しく静かな旋律から、緊迫感あふれる戦闘シーン、胸を締め付ける哀しみ、そして希望へ向かう壮大なクライマックスまで、10曲それぞれが異なる物語を描きます。
繊細なピアノやストリングス、重厚なオーケストラ、疾走感のあるドラム、ドラマティックな女性ボーカルとコーラスが重なり、まるで一本のアニメーション作品を音楽だけで旅するようなアルバムに仕上げました。
静寂から戦いへ。絶望から希望へ。
それぞれの楽曲に込められた物語を感じながら、最後まで楽しんでいただければ幸いです。
アーティスト情報
夏目そら
日本の伝統美と現代のエレクトロサウンドを融合させた音楽を制作するアーティスト。和楽器×エレクトロ、ボカロ×幻想的なメロディを得意とし、幽玄で切ない世界観を楽曲に込める。TuneCoreを通じて、より多くの人に音楽を届けたいと思っています。
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