Lyric

熱の籠った焦ったい空気

遠くに聞こえる雨粒の音が胸を刺す

むせ返る匂いのフラッシュバック

錆びたベンチに腰掛ける君

夢を見た

運命的な映画のように　君を取り戻せたらなんて

わかってるんだ　それでも願ってしまうんだ

目眩のする程美しい夏から目が離せない

思い出は痛くて　甘くて　僕を虜にする

描いてしまう亡霊は　いつだって君のことで

あの日の居場所に溺れてしまうんだ

お気に入りのレインコート

腕に抱えて彷徨う夢は何度目か

夏草揺らすペトリコール

取り憑かれてしまう人生も悪くないか

リンドウが立ち並ぶグレーの背景

雫がひとつ　ふたつ　溢れていく

記憶の温度だけが　次第に吸い取られていくみたいだ

過ぎていくカレンダー　止まることを知らずに

無表情に僕を見つめる

蝉時雨の帰り道　ゆらめく長い影

ただただ　忘れたくないんだ

目眩のする程美しい夏から目が離せない

思い出は痛くて　甘くて　僕を虜にする

描いてしまう亡霊はいつだって君のことで

雲の隙間から陽が差す

耳を塞ぐ程騒々しい夏から目を背ける

思い出の痛さも　甘さも　僕の虜にして

抱きしめた日常は　遥か遠くのものだって

気付いていながら　溺れていたいんだ