Lyric

白い帆に風を孕んで

岸辺の記憶を後にして

マストが奏でる調べと

古いカセットのメロディー

君が微笑む波間に

風まかせの午後だった

僕らは何かを信じてた

風のゆりかご 揺られていた

夢か現実か わからないまま

バーベキューの煙に包まれて

青春という帆を張ってた

君もあの空に手を伸ばした

僕の愛艇に 心を委ねて

夜の街灯りが煌めいて

静かな水面に揺れる頃

針路は曖昧でも

迷うことはなかった

夜の湖に響く さざ波

歌声に頬が濡れた

君の横顔が 残ってる

風のゆりかご 忘れられない

声も笑顔も 過ぎ去ったけど

琵琶湖の空は今も同じ

僕の旅路を照らしてる

もしももう一度戻れるなら

君ともう一度 漕ぎ出したい

マリーナの灯りが滲んで揺れる

「また会おう」と手を振ったあの日から

僕の心はずっと

あの沖を漂い続けてる

風のゆりかご 揺れていた

夢と呼ぶには あまりに鮮やかで

陽が沈むたび 想い出になる

でも消えない帆影がある

君と僕の 夏の航海は

今も風の中で 眠ってる…