歌詞

世界がまだ眠る

窓辺で息を数える

名前を外して

心だけ残す

街のノイズが消える

影が体温を伸ばす

言えなかった言葉が

喉の奥で灯る

思い出は軽くない

肩に雪のように積もる

でも溶けた雫だけが

本音の場所を示す

夜明け前に声がする

まだ生きたいと囁く

働く手は震えても

握った温度は真実

（聞こえるか）

胸の奥で鳴る

昨日の成果は消える

けれど残った眼差し

君の笑顔の端で

僕はやっと報われる

要領よくはできない

速さにも馴染めない

でも不器用の鼓動が

僕らを人間にする

間に合わなくていい

誠実に届けばいい

何のために働くのか

君の朝を明るくするため

何のために生きているか

この声を裏切らないため

夜明け前の声が言う

続けてもいい ここから

涙は道のかけら

光に変わる

評価よりも呼吸を信じる

肩書よりも目の濡れ方を

迷いは敵じゃない

方向を示す風

諦めは終わりじゃない

一旦座るベンチ

君の手の温度が

僕の羅針になる

遠い雲の切れ間に

名前のない朝が差す

何のために働くのか

君の欠伸を守るため

何のために生きているか

眠れぬ夜を超えるため

夜明け前の声が言う

今は小さくていい

正直の粒だけで

今日を始める

カーテンが白く揺れる

時計はまだ黙ってる

僕は立ち上がる

胸の声を連れて