

触れた指先に 砂の記憶が舞う
音のない空を なぞるように
名もなき温度が 肌をすり抜けて
光の声が そっと息をする
空になった場所に 風が囁く
「ここには 何がいたの?」と
答えぬ声が 波紋のように広がり
見えない輪郭を 静かに撫でていく
夜露が落ちる ひび割れた地面
光も届かぬ 深い森の奥で
羽が ひとつ舞い降りる
空白に浮かぶ 影
触れたいけれど 届かない
声を呼ぶけれど 帰らない
ただ 静けさだけが
やわらかな手で まぶたを撫でる
空になった場所で 時間が滲む
名もなき何かが 佇むように
記憶の端に 結ばれた糸が
静かにほどけて 空へと溶ける
目を閉じたら ほら 聞こえる
遠い波間に 染みる音
誰でもなく 何でもなく
ただ ここにいるという鼓動
空になった場所に 光がこぼれる
淡い金色の 糸が揺れる
いなくなったのではなく
ただ 形を変えて ここにいる
影が踊る 夜の湖面
過去と未来が 交わる時
記憶の森をさまよう心に
光の声が そっと寄り添う
探さなくていい もうここにいる
形なき温もりが そばにいる
この痛みも そのままで
生きていけばいい と
空になった場所に 星が瞬く
見えない絆が 夜を照らす
痛みの奥に そっと宿る灯り
それが私の証
目を閉じれば 聞こえるよ
水の底で眠る 息の音
心の奥
忘れかけた 光の声
- 作詞者
Meenya Cocoon
- 作曲者
Meenya Cocoon
- プロデューサー
Meenya Cocoon
- ボーカル
Meenya Cocoon

Meenya Cocoon の“空白の記憶”を
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空白の記憶
Meenya Cocoon
空白の記憶は、静寂の中に溶け込むような幻想的な楽曲です。
儚くも確かに残る記憶、見えないはずの存在がそっと寄り添う感覚を、繊細なメロディと柔らかなサウンドで表現しました。
夜空に浮かぶ微かな光、深い森の奥で響く静寂、水の底で眠る鼓動――聴く人それぞれの心にそっと寄り添う音楽をお届けします。
心を静かに解きほぐし、深い余韻を感じるひとときを。