

湯気のカップに月がとけて
朝の窓がそっとひらく
ほどいた紐を結びなおすと
風が靴先でやさしく見せてゆく
砂の時計が音もなく回り
胸の鼓動が灯りをゆらす
たぶんこの揺れが合図で
足あとが歌を見つけていく
息と息が重なるたびに
水面に段が生まれてのぼれる
手のひらの体温だけで
ここは留まれる場所になる
永遠の今を抱きしめよう
砂の譜面に歩幅を書こう
見えない糸が指にふれて
折り鶴が空を飛ぶだろう
遠くを見なくていいよ
触れたぬくもりが道になる
君がここにいるというだけで
光は影をつれて降りてくる
ポケットの鍵は真珠のいろ
錆びない音が胸でひびく
逆さの砂時計を耳にあてれば
落ちる粒が息をほどく
泣けない夜の鼻さきに
朝の匂いが糸をむすぶ
きっとこの細い結び目が
扉の方角を教えるはず
名前を呼ぶ声のやわらかさで
心のあかりがひとつ灯る
大きくなくていい移ろいで
君と一段そっと上がる
永遠の今を抱きしめよう
雫の跡がやさしく乾く
見えない糸は二人の間を
蝶の軌道みたいにむすぶ
急がなくていいよ
結び目の温度をたよりにもう一歩
君がここにいるというだけで
世界は静かに回りだすと思う
道がほどけた夜には
海月のランプを胸に灯そう
水をひとくちのめば鐘が鳴り
手と手が触れれば階段が現れる
永遠の今の継ぎ目には
息と息の糸が張っている
永遠の今を抱きしめよう
光はたしかにここへ降りるだろう
迷うならいったん止まって
足裏の水平に耳をすまそう
見えない糸を軽く引けば
泣いた空にも風が生まれる
結びなおすたび静かな音がして
二人の現在がやさしくひらく
- 作詞者
知花タイ
- 作曲者
知花タイ
- ミキシングエンジニア
知花タイ
- マスタリングエンジニア
知花タイ
- ボーカル
知花タイ, 猫

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永遠の今 (feat. 猫)
知花タイ
アーティスト情報
知花タイ
2007年(12歳)、沖縄の地元コミュニティで創作活動を開始。次第にインターネット上の個人サイトや2ch等に創作物のアップロードを始め、名義や拠点を転々としながら不安定な活動をしていた。30歳の年となる2025年、本名に近い“知花タイ”としてアルバム配信を開始した。
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猫



