Lyric

向こうに潜む見えない表情

言葉を選ぶたび影が長くなるようで

ほんの少しだけ声を出せばいいのに

その一歩がいちばん遠い

声という生の風景は

ときどき僕を迷わせる

沈黙の狭間に潜む影が

ひらり心をかすめていく

だからメールで済ませたい

きれいに並んだ文字たちは

震えることのないフィロソフィ

言葉の海で僕を照らすんだ

あぁ僕を照らすんだ

聞こえないフリ　さえない表情

視線が泳ぐたび罪が重くなるようで

ほんの少しなら席はずせばいいかな

リリパットになれればいいな

音という生の情報に

ドキドキしては悩んでる

責任の重さに目を背ける

僕の心は削れていく

だからメールで済ませたい

きれいに並んだ文字たちは

侵されることのないシェルター

ウェブの海で言葉さがすんだ

あぁ言葉さがすんだ

言い回しを調べて1時間

下書き読み返して1時間

「よし、賢そうなメールができた」

でも本当に　これでいいのか？

ある日の午後　急ぎの用

思い切って電話してみた

声を放ったその瞬間

凍てついた道が光へと変わった

あぁ　こんなもんなんだ

息をのんで押した勇気

言葉たちが行き交うたびに

閉じていた扉が崩れてく

まぶしい空に光が差し込む

あぁ行間なんて

考えなくていいんだ

あぁ長文なんて

誤解をまねく理由さ

あぁ手はまだ汗ばむけど

今度はうまくいくはずさ

いくはずさ