OVERCOMEのジャケット写真

歌詞

姥捨山の惨劇 ~胎動せしババア~

あ~らいさん

この村では古くより、高齢になった女性を山奥に生きたまま置き去りにする姥捨習慣があった。しかし、山奥には捨てられた老婆たちの隠れ集落が存在し、今や今やと復讐を誓って牙を研いでいるのであった

みなごろしだぁ…

アタイ達をこんな目に合わせた奴らを

一人残らず、まっさつしてやる

今夜は待ち焦がれた復讐の日

追い出されたあの村を取り戻す

…おめぇら、覚悟はできたか?

日が昇ると同時に村へ忍び込み

成人した男性の寝首を掻き取るのだ

縛り上げて焼いてもえぇ

漬物石で叩き割ってもえぇ

各々、存分に憂さを晴らすとえぇ

ただし、あの糞村長だけはアタイがやる

四肢を捥いで見せ物として吊し上げてやるのさ

邪魔する者は女子供だろうと容赦するな

新世界には要らん連中、首を捻ってやれぃ

かぁ〜

その夜、武装した婆達は麓の村を目指して歩みを始めた。しかし、雪の降り積もる過酷な道のりに齢七十を越えた婆達は早々に根を上げるのだった

ええぃ

キビキビ歩け、根性無し共め

はぁ? 疲れたから休みたい?

甘ったれるんじゃねぇ

腹が減ったぁ?

その辺のキノコでも食っとけぇ

今度は、お花摘みに行きたいだぁ?

歩きながら済ませろや

アタイはずっと垂れ流してんぞ

尻は適当にその辺の葉っぱで拭いとけ

あと随分しゃらくせぇ言葉使ってんな

ぴちぴちのおなごのつもりでちゅか?

てめぇはとっくに醜い老婆だぞ

野糞って言え NO・GU・SO

おいそこ、眠るんじゃない

早く起きろ、オラ

…何ぃ、お亡くなりになってるって?

じゃあ置いていけぃ

花なんぞ手向けてる場合かっ

合掌するな、馬鹿ぁ

アタイ達の栄光はすぐそこだ

野郎共、行くぞぉおお

かぁ〜

道中で多くの仲間を失いながらも婆達は遂に念願の故郷の村へ到着した。しかし、潜入を試みるも呆気なく見つかった門番に猟銃で撃ち抜かれて復讐の夢は潰えてしまった

そして、村の広場には婆達の長の生首が見せしめとして飾られ、無事企てを阻止した村長は上機嫌で馬鹿笑いをしていた

…聞こえますか?

ここは現世と常世の狭間

通称【ババアゾーン】

私は羊水に浸かる胎児姿の婆から

天寿を全うした枯れ木の老婆まで

全ての婆の行く末を見守る者

現状を変えたいと強く願う貴女の想いは

次元を越え、この亜空間まで届いており

地球上の誰もが成し得なかった

【真実の婆】へと間もなく羽化するはずでした

…あちらの蠢く肉片をご覧下さい

あれこそが【婆の幼体】

全ての婆の祖であり、元素でございます

貴女には今からあの物体を取り込み

全ての婆の母胎【マザー・バーバ】として

この隠り世にて永久に生きて頂きます

その見返りとして

肉体を持たぬ不死身の霊魂

貴女の写し身の軍勢を今一度

あの村へ送り込んで差し上げましょう

その頃、麓の村では勝利を祝う大宴会が開かれており、村長や男性衆は女性蔑視をつまみに大層盛り上がっていた

そんな中、敵襲を告げる警鐘が鳴り響き、村の四方を幾千万の婆の霊体が不気味に取り囲んだ。番兵達は猟銃で対抗するも肉体を持たぬ婆達には一才通用せず、女子供を除く、全ての男性陣の首は噛みちぎられ、絶命していった

儂が悪かったぁ…

許してくれぇ…

かくして平穏を取り戻した麓の村では男女平等の法律が定められ、定年を迎えた老婆も生涯を穏やかに迎えられるようになった

遠く離れた異世界で

血肉の塊、上位者となった婆の長も

どこか嬉しそうに、もぞもぞと動いていた

  • 作詞者

    あ~らいさん

  • 作曲者

    あ~らいさん

  • グラフィックデザイン

    あ~らいさん

  • シンセサイザー

    あ~らいさん

OVERCOMEのジャケット写真

あ~らいさん の“姥捨山の惨劇 ~胎動せしババア~”を

音楽配信サービスで聴く

ストリーミング / ダウンロード

"