消えなかった言葉たちのジャケット写真

歌詞

コップふたつのまま

YxY

朝のシンクに水滴がまだ

昨夜のままで残っていた

急いで出た君の癖まで

蛇口の角度に残ってる

食パン二枚焼く癖だけが

身体に先に染みついていて

一枚戻すその手つきが

少しだけ遅れてしまう

悲しいって言う前に

台所のほうが静かになった

並んだままのグラスひとつ、

今日は誰の口にも触れない。

君がいないことより先に、

暮らしが答えを知っていた。

棚の奥へしまえないのは、

未練なんかじゃなくてただ、

二人でいた手順ばかりが

まだ手に残っているから。

辛いソースは減らないまま、

私は結局使えなくて、

リモコンだけが右側へと

何度直しても戻っていく

ソファの端のへこみだけが

君の体温を覚えていて、

座らないよう避けるたびに

自分でも少し笑ってしまう

会いたいとは言わないけど

生活の中で何度も呼んでる

乾いたままのグラスひとつ、

時間だけが先に進んでいく。

思い出というよりこれは、

癖がまだ抜けないだけだね。

捨てられないレシートより、

消せない履歴より深く、

何気なく重ねた毎日が

部屋じゅうに散らばっている。

ごめんも言えず終わったね。

ありがとうも置いたままだね。

言葉より先に積もっていた

小さな日々が痛かった。

棚の奥へ片づけた夜、

やっと部屋が息をした。

君を忘れたわけじゃなく、

今日を始めただけだった。

新しいコップをひとつ買い、

少し広い朝に立っている。

失くした人のぶんまでちゃんと

これから水を注いでいく。

朝のシンクに光が差して、

ひとつ分だけ音がした。

  • 作詞者

    YxY

  • 作曲者

    YxY

  • プロデューサー

    YxY

  • ボーカル

    YxY

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