

錆びたドアを押すたびに
知らない誰かの残響が降ってくる
ここで鳴った人の塩分が
壁の染みになって残っている
セットリストの走り書き
日付だけ読めて名前が滲んだ
あの夜鳴らした最後の和音が
まだ天井の隅で眠っている
亡霊というより、未練というより
ただ、帰る場所を忘れた音たちが
ここに漂っている
Cat Cageの暗がりで
誰かの青春が腐らずにいる
名前も顔も溶けた後で
音だけが形を保っている
散り際に鳴らした一音が
壁を伝って今夜も生きている
忘れられた曲ほど
なぜか美しく響く
楽屋の鏡に口紅の跡
誰かが緊張を塗りつぶした証拠
ステージの床板の節目を
数えた指の癖が移っている
アンプの埃を払う瞬間
微かに誰かの音が漏れ出した
拾いきれないまま夜になって
また新しい誰かが入ってくる
終わったというより、続いているというより
ただ、出口を見つけられなかった歌が
ここに満ちている
Mistoriaも、いつかここに残るだろうか
使い古したピックの摩耗の角度で
誰かが私たちを思い出す夜が
来るだろうか、来なくていい
来なくていいけど
音だけは置いていきたい
朽ちない形で
この壁の中に
Cat Cageの暗がりで
今夜も誰かの青春が眠っている
私たちが去った後も
きっとここで、腐らずにいる
錆びたドアが閉まる音がした
また新しい亡霊が生まれた
忘れられた曲ほど
なぜか美しく、響き続ける
- 作詞者
ロキ@低めの猫
- 作曲者
ロキ@低めの猫
- プロデューサー
ロキ@低めの猫
- プログラミング
ロキ@低めの猫

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Cat Cageの亡霊
Mistoria
ライブハウス「Cat Cage」の壁に染み込んだ、名もなき誰かの青春の残響。
錆びたドア、滲んだセットリスト、楽屋の口紅の跡——名前も顔も消えた後で、音だけが形を保っている。
Mistoriaが問う、「私たちも、ここに何かを残せるだろうか」。
忘れられた曲ほど美しく響く、ライブハウスへの静かな愛情と問い。
アーティスト情報
Mistoria
幻想系AIロックバンド「Mistoria|ミストリア」 Vo&Gt ハル / Ba ノア / Dr ルカ / Key ウノ AIと人間の感情をテーマに、音楽 × 物語 × テクノロジーを融合させたオリジナル楽曲を制作。 ロックを軸に、エレクトロ、ポップ、Lo-fi、ヒップホップなどジャンルを横断したサウンドで、 物語性のある歌詞と幻想的な映像表現を届ける。 代表曲には「機内モード、まだ解除できない。」「OS、君。」「システムエラーに花束を」などがあり、 YouTubeやSNSでのMV展開を中心に、音楽とストーリーテリングの新しい形を探求している。 関連キーワード:AIバンド, ガールズバンド, ロックバンド, エモーショナルロック, 日本のインディーズバンド, オリジナルMV
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