歌詞

三十年前の映画を

プラットフォームでひとり観ていた

泣きながら別れていく主人公とヒロイン

太陽が西の空に沈んでくように

この恋も終わるだろうってことを

すぐに気づいたんだ

映画の中だけの話さ

シークバーは右端

島のはざまの

列車の向こう

水族館を待っている

恋人たちが立っている

隣の波止場の向こう

水平線に立っている

ずっと私は待っている

夢の東の

十数年前の私は自分を探して旅路に就いた

この世界に

自分だけに成しえることがあるんだって

信じていたけど

青臭い夢だったね

たくさんの人が歩んだありきたりな道

諦めた自分だって

田舎だって

嫌いじゃない

誰もいないパノラマ

畦道はどこまでも続く

どこかで蛙が鳴く

夢の南の扉の向こう

水族館で待っている

息を吸って待っている

あなたを

ベールの向こう

大水槽に立っている

そっとあなたを待っている

夢の東の