歌詞

いつの日も無力だったわたしは、

どこにも行かずただ彼女を見守る。

助けたく伸ばした手は

どうあがいても届かず

助けられない事実は

どうあがいても変わらない。

今は共に在るわたしはいつか、

そこに在ったことすら

忘れ去られ往くのだろう。

願いの想いと重みは

正の相関を伴って、

無慈悲に絡んだ祈りの

喪失だけを伝える。

意図は糸として愛しいあなたに、

何かに縋るように、

あなたと「かみ」の香りを探る。

また夜がきて離れる手、

聞こえる吐息に沈む世界。

時は想いを解かしつつ進む。

溶けない記憶は夢に見る。

幸は不幸の裏返しだと知る。

想い、願い、祈り、それらもまた。

（間奏）

死ぬことも許されずに彼女は、

どこにも行けず思い出を振り返る。

忘れたくない記憶は

どうあがいても風化していく。

忘れ去りたい記憶は

どうあがいても侵食していく。

挟みたかった栞はいつか、

そこに在ることすら

忘れ去られ往くのだろう。

記憶の価値と重みは

負の相関を伴って、

どこかに挟んだ栞の

喪失だけを伝える。

意志は意思として遺志に伝わる。

何が在ったと言うのか?

価値観? 想い? 願い? 苦しみ?

意味が在ったと言えるのか。

それすら想起できない今に。

時は想いを解かしつつ進む。

溶けない記憶は夢に見る。

幸は不幸の裏返しだと知る。

けれど、せめて、

この想い、願いだけは

いつかは終わる この「物語」に、

終止符を打つのはわたしだ。

栞はまだ、物語の中に。