歌詞

薄曇りの窓に　指で円を描く

言葉にならない音が　胸にたまっている

ニュースは誰かの声だけ　騒がしくて

私の声は今日も　ミュートのまま

笑ってみせる顔の　内側の片隅で

小さな嵐が　机の角に座ってる

泣きたいの？　怒りたいの？って

鏡の私は　首をかしげる

どちらも違う　どちらも少し正しい

吐き出す先のない雲が　喉で雨待ち

ほどけないまま　抱きしめる　モヤモヤの体温

壊したくて　守りたい　ふたつの手が重なる

あなたを思い出すたび　やわらいでく痛み

泣きたいか　怒りたいか　答えのないまま

それでも愛しい　それだけは確か

スクリーンにため息ひとつ

読みかけの本は今日も眠っているよ

既読つかない空をスクロールしてる

踊り場の階段で長く息を吐いた

世界は少しだけ遅くなるようだ

私も少し今ここで止まってる

平気だよって言えるけれど

全然平気じゃないんだ

あなたの名前を胸に静かに置いて

体温で溶ける雪を今夜待っている

ほどけないまま　抱きしめる　今日と昨日の間

投げ出したい　拾い上げたい　矛盾が寄る夜

触れられない距離のままで　あたたまる掌

泣きたいか　怒りたいか　言えないままで

それでも愛しい　それが私の中

目を閉じたら　小さな灯がひとつ

胸の底で　静かに呼吸している

名前をつけたら　壊れそうだから

ただ「ここにいる」と　そっと呟く　SOS

ほどけないまま　抱きしめて　朝が来るまでそばにいて

涙でも　怒りでもない　まだ言葉にならない光

あなたを思うだけで　確かに動く鼓動

泣きたいか　怒りたいか　もうどちらでもいい

愛しい　この矛盾ごと　私を今日も生かしてる

ほどけないままでいい