歌詞

夜更け、止まった秒針を　指でなぞるみたいに

改札を抜けた風が　君の匂いを運んで

言えなかった台詞だけ　胸ポケットで皺になる

笑い合った写真には　少し滲んだ夏の色

行き先を決めないまま　歩幅だけ合わせてた

強がりが上手くなるほどに　不器用が増えていく

「今さら」って言葉だけが　靴ひもみたいに絡む

5秒だけ

5秒だけ5秒だけで良いんだ

目を閉じて心が君に触れるまで

だから今はこうしていたい

世界が遠くへ滲んでも

君の温もりを感じていたんだ

言葉より先に震えた手のひらで

電灯が滲む街角　呼吸を数えて

いつかの約束なんて　優しさの仮面かもね

大人ぶった夜の分だけ　迷子の地図が増える

帰り道は別々でも　同じ星を見上げれば

タクシーのテールライト　赤い溜息みたいだ

「大丈夫」って言い合うほどに　零れてく本音たち

閉じ込めた涙の音が　胸の奥で雨になる

5秒だけ

5秒だけ5秒だけで良いんだ

言い訳も未来も置き去りにしたまま

だから今はこうしていたい

時間の綻びを指先で縫い合わせ

君の温もりを感じていたんだ。

帰れない場所が　少しだけ家になる

卑怯だよねごめんね

君の優しさに甘えてしまうから

正しさよりも確かさが欲しくて

揺れる心を　君の名で呼んでしまう

5秒だけ

5秒だけ5秒だけで良いんだ

名前を呼ばずに　鼓動で応えるよ

だから今はこうしていたい

夜明けが来ても　ほどけない抱擁で

5秒だけ

5秒だけ5秒だけで良いんだ

永遠より短い　永遠みたいな瞬間を

君の温もりを感じていたんだ

明日がどんな顔でも　怖くないくらいに

だから今はこうしていたい

さよならが追いつけない速さで抱きしめて

秒針が動き出しても　君の体温を覚えてる

5秒の祈りが　今日を優しくするように