歌詞

祝福の鐘が鳴る　白い吐息がほどける

差し出した掌に　未来の重さが落ちた

歓声の波の中　ひとり静けさを拾い

君の微笑だけが　剣の震えを止める

選ばれた証は　救いであり鎖

勝利の背後には　冷たい目が刺さる

名前も冠も脱ぎ捨てて　ただ信じたいを握る

どうして祈りは砂になり　指の間をこぼれる

奪われた夜の果てでも　胸の火は消えない

誰も知らない本当で　君をまだ照らしたい

山の風は鋭く　洞の灯は細く揺れ

友の言葉が刺さる　嫉妬か祈りか判らない

甘い導きの声　真実に似た嘘

正しさと間違いの　境目が息をする

「信じろ」と「疑え」が　胸で刃を交わす

握った柄の温度　孤独の温度と同じ

救うつもりで傷つけて　真実は沈黙に縫う

どうして光は罠になり　足元を絡めとる

叫べない声の底でも　鼓動だけは速い

誰も届かぬ本当で　君をまだ守りたい

石の雨　燃える噂　誰の罪を数える

君の瞳の奥で　世界が音もなく崩れる

信じる場所が無いなら　自分の影を抱いて

正義が割れた後にも　残ったのはただの愛

名を捨て　別の顔で生きる夜もあった

憎しみの仮面の裏で　涙が海になった

世界よ見ていろ　救いも罰も背負うから

君が願った明日まで　遠回りでも行く

もう一度はじまりを　自分で選び直す

英雄にも怪物にも　染まれるなら越えていく

祈りよ帰れ　灰から灯れ

君の名を抱いて　今日も立ち上がる

鐘は止み　心だけが鳴る

暗闇の中心で　夜明けの色を待つ