歌詞

例えば、其の病的な自己顕示。

多様性を宣って、

穿った面して、

個性派を気取っている。

即ち、非社交性の免罪符を掲げて、

正当化して、繕っているだけ。

本来、在るべき体は、

其の字の通り。

互い支え合って、

其の間に立って、

関わり合って、

自己が生まれていく。

ところが、

為すべき命を出来損なって、

互い違っていく。

鏡に靠れ掛かってる連中は、

「人間」と見做せますか？

プログラムをアップデート

故にバグった

名前すら存在しない

「NPC」

例えば、能動的な希死念慮。

懸命に這い蹲って、

被害者面して、

未来を嘆いている。

即ち、空想的な理想像を重ねて、

ヒロイックに酔って、

篭っているだけ。

存外、僕等の生死に意味は無いし、

小説より奇異な事件も無い。

凡そ三万日程度、寝て食って、

遅かれ早かれ、

其れ以上以下も無い。

終焉に或る種、

救済的な価値観を

持ってしまうのは、

皮肉で恐縮ですが、

「人間」らしいと思いませんか？

確かに、

貴方の物語に於ける主人公は、

他でもない貴方自身ですが、

主観的な貴方が思う程、

周りは貴方に興味が無いのです。

ひと一人がいなくなったところで、

記録上の扱いが変更されるだけで、

世界は何の変哲も無く、

依然回り続けます。

貴方も私も、所詮は誰かの

NPCに過ぎないのです。

物語の主人公を

真似てパクった

端役すら満足しない

「NPC」