

春に生まれ
はじめて温もりを知った
一斤染の空の下
小さな手を包む
誰かの手があった
名前も知らない優しさを
愛だとも知らないまま
ただその温度だけを
この胸は覚えていた
風が花びらをさらっても
悲しいとは思わなかった
また咲くことを
疑いもしなかったから
やがて僕らは
夏を知る
白群の空を見上げて
命は永遠だと思っていた
傷つくことも
傷つけることも知らずに
愛して
迷って
叫んで
転んで
それでもまた立ち上がった
胸の奥に灯った火を
消さないことだけが
生きることだと思っていた
眩しすぎる太陽の下
自分の影にも気づかずに
何かを求め
何かを失い
燃え尽きるほど
誰かを愛した
季節は
いつも静かに過ぎていく
僕らが気づくより
少しだけ早く
朽葉色の風が吹く頃
あの日の声が遠くなる
あれほど燃えていた心を
少し懐かしむように
ひとつ
またひとつ
静かに消してゆく
忘れたいわけじゃない
戻りたいわけでもない
ただ
あんなにも真っ直ぐに
生きていた自分がいたことを
夕暮れの中で
そっと抱きしめる
褪紅の記憶は
色を失っても消えなくて
失ったものの数だけ
優しくなれるのなら
この寂しさにも
きっと意味があるのでしょう
そして冬
月白の夜に
ひとり空を見上げる
冷たい風の向こうから
春に覚えた温もりが
遠い記憶を辿るように
この胸へ帰ってくる
あの手の温度
あの声
あの日の笑顔
もう触れられなくても
確かに今も
僕を生かしている
冬は
何もない季節じゃない
凍えながら
心を育てる季節
誰かを憎まないように
誰かを赦せるように
そしてもう一度
誰かを愛せるように
濡羽色の夜の向こう
月白は静かにほどけてゆく
雪の下では
まだ見えない命が
誰にも知られず
次の春を待っている
僕らもきっと
同じなのだろう
終わりながら
始まって
失いながら
受け取って
与えられた温もりを
いつか誰かへ渡してゆく
春は
温もりを知る季節
夏は
命を燃やす季節
秋は
その炎を懐かしむ季節
冬は
思い出した温もりで
心を育てる季節
そしてまた
一斤染の空の下
新しい誰かが
小さな手を握られて
はじめて
温もりを知る
僕らがいなくなったあとも
季節は巡ってゆく
花は咲き
陽は燃え
葉は落ち
雪は解ける
儚いから
美しい
終わりがあるから
抱きしめられる
失うことを知ったから
愛することを知る
また春が来る
きっと僕らは
そのために
四季を生きている
- 作詞者
Beam_steez
- 作曲者
Beam_steez
- プロデューサー
Beam_steez
- プログラミング
Beam_steez

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四季の唄
Beam_steez
四季は、ただ巡っているのではなく、私たちの人生そのものなのかもしれない。
春に温もりを覚え、夏に燃え、秋に振り返り、冬に心を育てる。
失うことを知ったからこそ愛することを知り、終わりがあるからこそ、今を抱きしめることができる。
「四季の唄」は、人生の儚さと美しさ、そして次の季節へ受け継がれていく温もりを描いた作品です。



