Lyric

缶チューハイ片手に　深夜の路地をひとり

気が強くなる酒って　ほんとタチ悪いよね

“立ち入り禁止”の黄色テープ　風で揺れてた

けど今夜の私は　誰にも止められない

足元ぐらついて

ローファーの音やけに響く

割れたガラスの向こう

湿った空気が頬を刺した

ほろ酔い気分で廃墟に足を踏み入れた

笑ってたはずなのに心臓はバクバクで

一歩先は真っ暗な闇かもしれないけど

ビビる心より進む勢いが勝った

この夜は後戻りできない私の証拠

壁の落書き “誰かいた”みたいな痕跡

点図の鉄骨　ギシって鳴ってアグレッシブビート

スマホのライト頼りにつま先から足跡刻む

酔いが少しずつ醒めて　怖さ倍増By倍増

埃が舞って

遠くで何か響くハレツ音と

ありもしない “きょうき” の気配が

背筋をずっとつついてくる

ほろ酔い気分で迷い込んだ廃墟の奥で

自分の影にさえビクついてしまうけど

引き返したら純白な私が嘘になる気がして

震える黒い脚でも前に出した

無謀って言葉じゃ足りない澱みの夜

階段が崩れて

ほんの数センチのとこで止まった

“あ　やばいかも”ってリアルに思った瞬間

なぜか涙が出た

なんとしてでも成果を得て　生きて帰るって決めた

ほろ酔い気分はもう消えた廃墟の出口で

息をのむほど夜風が温かく感じた

無茶した自分に呆れながらも

生きてる鼓動がやけにナマナマしかった

もう二度とやらない…でも忘れられない武勇伝

黒から肉色が見え隠れする帰り道

ちょっとだけ震えた体と本音

でもね　あの滾る夜の私が

一番輝いてた

コトは今でも忘れない