Lyric

廃品として処理された機械人形に

ネーブルオレンジの雨が降る

もう要らないはずの心が

宿ったまま霊魂となり

上半身を懸命に起こそうと360度の

頭部回転を試みるが

いっこうにその身体はというと

金縛り状態から脱出できない

物陰に隠れて泣いていた少女は

その一部始終を見ていた

その滑稽さに笑い出すことなく

純粋な瞳で見ていた

やがて重い腰を上げて

三か月ぶりの我が家へ

帰途につくこととなった

こんな壊れた私でも

役に立てることあるのと

彼なのか彼女なのかも分からない

そいつのため

無理矢理セリフ作って

地面に立ててやったが

真実なんて大抵はつまらない

ものだから

誰もそれを見ようともしない