あの日の僕は埋もれていた
消えてしまいそうな肌寒い街並みに
掠れた君が胸の奥で
袖を離さず きつくしゃがみ込む
“パパとママがあたしを探しているの
匿って ねえここじゃあ 凍えちゃうよ”
現実の壁にもたれそうで
あどけない視線に腰を落として
パサつく夕陽が燃え尽きる前に
僕の部屋が見守ってくれそうな
注いだ温もりは角砂糖なしの黒い渦
君は苦さで顔をしかめる滲む月煙突の下
二人離れず温まる揺らぐ炎に手を翳す
ほっと一息君の凍る頬に触れたまま
あの日の僕は不貞腐れていた
見下したような目が耐え切れなくて
理想に全てを求めすぎて
一番大切な事が言えずに
君の短い指を撫でて
僕の方が長い後ろ髪に気付かず
欠伸しそうで眠くないのなら
少しだけその頬赤らめてもらうよ
万歳したあらわの臍から上の白
沈む廃墟を灯すシルエットの曇り窓
最後の一枚を脱がす照れる顔しわくしゃになる
小さな魔の手を埋めるそっと膨らみかけた胸に
無数に塗れた泡の中じゃれ合うのに
一人用バスルームは狭かった
海豚のまま寄り添い眠る少女と男に
爽やかな朝は来ない
きっと朝日が目に染みる頃禁じられた恋に
手錠をかけられてしまうんだろう
一分が一秒に感じる
真空に揺れる三日月へと誘う
あの日の僕は埋もれていた
上辺だけの不自然な人だかりに
隠れた君の汚いとこを
余すことなく舐め尽くしてしまおう
ドアを叩く音にすら右から左に受け流し
空のなすがままにセブンスターを握りつぶす
“きっと10年後の冬に手を繋いでいたかったね”と
君は愛を求める僕はゆらり微笑む
二人深い夢の中透き通る白を身に纏う
肌で語った誓いは煙に巻かれたパパとママ
剥がれた金の額縁の三日月に眠る夜
真紅い糸の運命はシリウスの眼に途切れたまま
- Lyricist
Singerest Daisuke
- Composer
Singerest Daisuke
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Sitarr
Singerest Daisuke
Artist Profile
Singerest Daisuke
I've given up my music for three years. And I noticed that I can't live without music.I want to send my song to the whole world,and never give up that this time.
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