幼さゆえの潔癖に
ネギをまぶし
つゆにつけて
七味までかけて
ズルズルすする
ズルズルすする
ガサツで不純で立派な大人
脱ぎ捨てられたセーターに残る
昨日の匂いに目が眩む
でもぴしゃり頬をたたき
今日のシャツを羽織る
鈍感で小器用で立派な大人
になんて
なりきれないし演じきれないくせに
貫けないから苦笑い はは
出来の悪い形状記憶合金みたいな我が心
ああいつまで経っても
ああどこまで行っても
無理やり繋いだ延長コード
辻褄など合わせずとも結果生きている
思ってたよりずっと やぶれかぶれだけど
気づけばいつの間にかそれなりに大人
吐き捨てられたため息を
拾い集め裏返して晴れた日に干せば
そよ風にゆれてからりと乾く
小粋に羽織れば立派な大人
ああ 殴り書きした処世術のメモは
いざって時開けなくて苦笑い はは
出来の悪い形状記憶合金みたいな我が心
ああいつまで経っても
ああどこまで行っても
- 作詞
天元ふみ
- 作曲
天元ふみ
天元ふみ の“形状記憶合金のブルース”を
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ストリーミング / ダウンロード
- 1
百も承知のブルース
天元ふみ
- ⚫︎
形状記憶合金のブルース
天元ふみ
- 3
自己嫌悪よこんばんは
天元ふみ
- 4
ワナビア幽霊
天元ふみ
- 5
散歩の途中で
天元ふみ
- 6
さよならのあとで
天元ふみ
陽気でネガティブなシンガーソングライター天元ふみ。
日本全国のライブハウスを地味に沸かせ続け、テレビ東京系列「家、ついて行ってイイですか?」という番組で歌ったことでも話題に。
さりげないユーモアと哀愁に満ちた歌詞、癖のあるメロディ,日常と深淵を自在に行き来する世界観が魅力。
ギターとハーモニカ、iPadだけで作った本アルバムは、ライブ定番曲と2022年の新曲を半分ずつ織り交ぜた天元の真骨頂。
『大人になんてなりきれないし演じきれないくせに貫けないから苦笑い』と歌う表題曲「形状記憶合金のブルース」をはじめ、『絶望しながら陽気に生きていこう』と半ばヤケクソで歌う「ワナビア幽霊」や『心中したいな』と楽しく歌う「散歩の途中で」など、大人の苦みを軽やかに歌う曲がばかり。