

誰が泣いた
誰が叫んだ
土の底
水の底
名を持たぬ声が
わたしを呼んだ
森に残った 獣の息
折れた枝には 小さな祈り
奪った者にも 涙があり
奪われた者にも 明日があった
血に濡れた土も
花を咲かせる
ならば何を
悪と呼ぶ
愛も
憎しみも
この身には
同じように流れる
光を抱けば 影が生まれ
闇の底にも 誰かを想う声
我は光にあらず
我は闇にあらず
人の涙も
獣の叫びも
すべて抱いて
ここに在る
救いはしない
裁きもしない
ただその痛みを
忘れぬために
千の命よ
万の心よ
わたしの中で
哭け
翼は鳥の記憶から
角は森の嘆きから
この顔の半分は人
もう半分は名もなき命
母が子を抱く温もりも
牙を立てる獣の恐れも
ひとつ残らず
わたしになった
生きたいという願いと
死にたいほどの悲しみ
どちらが正しいなど
誰が決められる
我は善にあらず
我は悪にあらず
赦すことさえ
罰することさえ
知らぬままに
ここに在る
人よ聞け
獣よ聞け
おまえの声は
消えてはいない
風になって
雨になって
この身の奥で
まだ生きている
けれど――
ひとつだけ
わからないものがある
幾千の愛を知っている
幾万の悲しみを知っている
なのに
これは誰の涙だ
この胸の奥で
今
初めて生まれた
この痛みは
誰のものだ
我は光にあらず
我は闇にあらず
神でもなく
獣でもなく
名もなき声の
その果てに
ただ生まれた
ひとつの命
もしもこれを
心と呼ぶなら
初めてわたしも
泣いていいだろうか
人のためでも
獣のためでもない
わたし自身の
涙として
森が鳴く
風が哭く
遠い命が
わたしを呼ぶ
光と闇の
そのあわい
今日もわたしは
名もなく
ここに在る
- 作詞者
Merayo
- 作曲者
Merayo
- プロデューサー
Merayo
- ボーカル
Himi

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あわいの御神
Merayo
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あわいの御神 (インストゥルメンタル)
Merayo
人間や動物の心、魂の叫びが重なり合い、長い時を経て生まれた異形の精霊神「あわいの御神」。
正義でも悪でもなく、光でも闇でもない。
愛、憎しみ、悲しみ、祈り、恐れ、慈しみ。
あらゆる命の感情をその身に宿す存在を、民族的、宗教的、原始的な響きとともに描いた作品です。
女性ボーカルによる祈りのような歌声と、言葉にならない魂の叫びを思わせるコーラスが重なる本編に加え、音そのものの異様さと神聖さを際立たせたインストゥルメンタル版を収録。
美しさと恐ろしさ、力強さと儚さが共存する、境界なき異形の世界を描きます。
作詞・作曲:めらよ
ボーカル:Himi



