【futuring】
始まりは確か、教室での貸し借りだ。
「明日には返すわ」
いざ帰宅し、ラジカセが鳴り出せば忽ちバッチバチに行かれた。
漫画みたいな稲光が射した。
これだ!
雷に打たれたあれ以来、会話の端々にアーティストやらアルバム。
クラスの片隅、暮らしの中心にrap music
垣間見えるカルチャー。
『WILD STYLE』『Do the right thing』、VHSをダビング。
最新作から90's classics
さんぴんCAMPコンピから次第にハマッていったJapanese HIPHOP
今みたいに配信サービスなんて無い時代。
まして田舎町のハンディキャップ。
しかし、幸いにも間違いないダチがいた。
高架下のタギング。
度を越した能書き。
毎晩、闇に同化した"どうかしてるガキ"
飽き足りず先走るbeatboxin' lalimax
アリバイが曖昧な冤罪犯。
(なぁ一体何がしたい?)
業を煮やし、ノートの端に初めて歌詞書いた。
気恥ずかしさすら知らず、ひたすらに
やり切れない怒りや痛みを吐き出した。
※
マイク直刺しでREC
インストの上、一発録り。
テイク重ねて 声は掠れていく。
やっと完成!ってもう朝焼け。
試すカーステ、SHOCK WAVE
「早くアイツらに聴かせてえな」
ラベルの剥がれたカセットテープはまるでタイムマシン。
コックピットにはかつての俺の魂。
刻一刻、超えてきた未来からWassup!
20年前の俺がSpit "今にわからせる"
道は地続き。
冷たい風切って歩くティンバーにヌプシ。
「B系(笑)」? 鼻で嗤ってた奴らに"格好悪い!"
過去なら未来から意味づけるもの。
死して尚、生き続けるレジェンド。
その礎の上に成り立ってるシーン。
スパイクリーがオスカー。
まさか、コンプトンのラッパーがピューリッツァー。
こことそことがクロスオーバー?まじか!
Dopeなrhymerも武道館にアリーナ。
若い世代は放課後にサイファー?やばいな!
始まりは確か、教室での貸し借りだ。
あっ 今 どこかで俺の曲が鳴り出した。
※
- 作詞
次郎(仮名)
- 作曲
Morning Lemon
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futuring Prod.Morning Lemon
次郎(仮名)
アーティスト情報
次郎(仮名)
次郎(仮名) 1987年生まれ。2008~2012年頃まで活動、J-HIPHOPのアンダーグラウンドシーンで注目を集めていたが突如として消息を絶つ。 その後、2018年に盟友・HakobuNeのミックステープ『kimama』へ参加し復活を遂げる。 2022年10月、6曲入りのEP『再生』をリリース。
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