歌詞

ひかりの欠片が屋根で鳴って

道の端に星が落ちる

つららの先がきらり瞬き

空気の糸が指をつたう

ねこと歩幅を合わせれば

胸の鼓動が静かにそろう

冷たい青のひとかけら

深呼吸して目を細める

つららのきらめきを見送って

きょうの言葉をほどいていく

やわらかなひかりのリズムのままに

あしたの入口をみつけだす

川面の薄氷が歌い

小さな橋が影を伸ばす

ねこのひげがきらり揺れて

笑みがひとつこぼれ落ちる

ひと呼吸して空を仰げば

雲の切れ間に淡い陽だまり

つららのきらめきを見送って

言葉はそっと澄んでいく

透きとおる朝のぬくもりだけ

胸にしまって歩いてく

ポケットの手袋を結びなおし

靴音だけが拍を刻む

ねこがしっぽで前をさして

角のむこうへ誘ってくれる

名前のない約束みたいに

光の欠片が胸に残る

凍った空気が頬をくすぐり

今日のページが静かにめくれる

つららのきらめきを見送って

きょうのページをとじていく

やさしいひかりに手をひかれて

あしたのページをひらいてく

同じテンポでならぶ足音が

静かな終止にほどけていく

角を曲がれば湯気の匂い

ねこと「おかえり」をわけあう