歌詞
苦渋と辛酸がディープキスをしてる
ハハノシキュウ, 油揚げ
苦渋と辛酸がディープキスをしてる
カーステレオで54-71 & KOOL KEITHを聴いてる
サイドミラーを再度見る
ノイズの混ざったマットリブ、みたいな田舎の景色を通り過ぎる
夏だろうと冬だろうと缶コーヒーは不味い
でもホットの時だけは飲める、夏だろうと冬だろうと変わらない
ドリンクホルダーに冷房が当たる真夏
ドリンクホルダーに暖房が当たる真冬
どっちが先に冷めるかなんて知らないけど、いつかは冷めるって点ではおんなじらしい
ハンドルを握りながら頭の中では図書館を建設していて
何かに行き詰まって息が詰まって生きづらなくなったり、気遣いや息遣いや言いづらいことや居づらい場所を切り離したい時なんかは、建設現場に足を向けるようにしている
例えば、ピンク・フロイドと安部工房の間には壁があって、見物人の世代が植物みたいに生え変わっていく
建築家が命じるままに0時過ぎまでレンガを積み上げていく、でも建築家は言うんだ
「設計図通りに作られたものを芸術家は生け好かんと見下してくる」
それでも従業員は設計図通りにセンテンスを繋いでいくしかない
いつか、内側と外側がひっくり返ることを信じて
軽自動車が0時半に目的地に到着して、自分もまたあの命じられただけの従業員と同じイメージなんだと気付かされる
後部座席からマネキンを引っ張り出して、穴を掘る
人生というのは設計図のない何かのためのリハーサルなのかもしれない
何度も何度も練習を重ね、いつか来る本番のために備える
やりたくもないことに精を出して矛盾に耐え抜くのだ
若い頃は殺したい人間がたくさんいた
多分だけどその衝動は才能そのものなんだと言える
大人になって、殺したい人間がいなくなって、才能と呼べるものを失ってしまったことに気付く
それでも、こうやって死体を埋める練習を馬鹿みたいに繰り返している
今まで埋めてきたマネキンがバレたことは一回もない
仮に本番が来たとしても難なく成功しそうな気がしてる
そういう油断とか欺瞞の危うさだってよく知ってる
100%大丈夫だ
そう思えることなんて一生ないと思う
こんな風にして舐めなくてもいい苦渋を舐める
舐めたってしんどいだけなのに辛酸を舐める
苦渋と辛酸がディープキスをしてる
これは誰の話だ
- 作詞
ハハノシキュウ
- 作曲
油揚げ
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波羅葦増雲
ハハノシキュウ, 油揚げ
- ⚫︎
苦渋と辛酸がディープキスをしてる
ハハノシキュウ, 油揚げ
- 2
誰にも言えない秘密を作りなさい
ハハノシキュウ, 油揚げ
- 3
小学三年生から目線の高さが変わっていない
ハハノシキュウ, 油揚げ
- 4
頭の中の小説をそのまま海に流すように
ハハノシキュウ, 油揚げ
- 5
内側とも外側とも言えない部分
ハハノシキュウ, 油揚げ
- 6
要点を挙げるとすれば
ハハノシキュウ, 油揚げ
- 7
見えないため息と見えるため息
ハハノシキュウ, 油揚げ
- 8
世界を救うような局面に立たされることがある
ハハノシキュウ, 油揚げ
- 9
運命の人
ハハノシキュウ, 油揚げ
- 10
沈黙の美しさについて
ハハノシキュウ, 油揚げ
- 11
こんなこともあろうかと
ハハノシキュウ, 油揚げ
- 12
波羅葦増雲
ハハノシキュウ, 油揚げ
小説家としてもデビューしている異色のラッパーハハノシキュウと唯一無二のスタイルのビートボクサー油揚げによるアルバム。ビートボクサーとラッパーがコンビを組んでバトルをする破天共鳴によって生まれたユニット。アルバムを通して紡がれる世界観はラップとビートボックスというカテゴリーに含み切れない尖ったものとなった。ディープな世界に潜ってみてください。
アーティスト情報
ハハノシキュウ
・ハハノシキュウ ・無所属 ラッパー/小説家 ・青森県弘前市出身のラッパー/小説家。ラッパーよりも先に小説家を志していたが、新人賞の応募規定が面倒になり心が折れ、ラップを始める。MC BATTLEに出たことで本格的に活動を開始、なぜか一度だけポニーキャニオンからメジャーデビューを経験する。結果的にラッパーとして活動していたことが身を結び、2019年に小説家としてデビューする。
油揚げ
・油揚げ ・無所属 Human Beatboxer ・実験音楽にインスピレーションを受け、独自のテクニックやグルーヴ感を軸にしたBeatboxerとしては唯一無二のスタイルを確立している。 ライブパフォーマンスは基本即興で行われ、空間と調和しながらその場限りの音を奏でる。 ライブ、楽曲制作、バトル、イベント主催など幅広く活動中。