歌詞
誰にも言えない秘密を作りなさい
ハハノシキュウ, 油揚げ
これは私、の話かもしれない
誰にも言えない秘密を作りなさいって
学校で口酸っぱいくらいいっぱい言われてきた
口の中の辛酸を審査されているような気分になる
共有しなきゃいけない、ことが多すぎるみたい、共有したくない、ものを探すのは人間の性みたい
だから、教師の口から「探せ、探しなさい」と言われてしまうと内側から冷めてしまう
夏だろうと冬だろうと
学校に促されて裏が冷めて作った秘密
言われなくても作らざるを得なかった裏の裏の秘密
その二つの秘密を持ち歩いて自立することによって私は日持ちしない自尊心を保っていると言える
前者の秘密は、友達とか先輩とか後輩とかに「作らなきゃいけない秘密、なににした?」って話題になった時に恐る恐る打ち明けるのに適したやつ
義務的に誰にも言えないことを作るというのはまるで感染したウイルス
後者の秘密に関しては説明する必要もない
この世界において、自分一人しか知らないことを作る他ない
この後者の秘密を前者の秘密と混同しないように、ネット上では波羅葦増雲と呼んでいる
現実では波羅葦増雲と口に出す機会はない
だから波羅葦増雲という響きは各々の頭の中にだけ存在すると言ってもいい
波羅葦増雲
友達とお互いの秘密を打ち明け合う
共有するのは愚痴だけじゃなく
結局、そういう空気になった時に秘密を言えないと友達ではいられない
だからそれ専用の秘密を用意しなきゃいけない
味気ないしマジで最悪で有り得ない
学校側が秘密を作りなさいだなんて指導をするから秘密の階層を二重にしなきゃいけないんだ
味気ないしマジで最悪で有り得ない
そんなくだらない共感のために、私はたまにノーパンで登校してる
この秘密は友達の間でウケがいい
好きな男子の名前なんか言わない
とりあえずこれで卒業までやり通せばいい
波羅葦増雲を隠し通すために
私は私の波羅葦増雲を守り抜く過程
波羅葦増雲を守るための秘密が必要ってわけ
「ってか、先生の秘密はなんなんですか?」
教室で発言するのが得意な男子の声が不得意な耳に太く入り込んでくる
先生は本気なのか冗談なのかわからない表情でこう言った
「俺は、頭の中で図書館を建設してる。秘密だから誰にも言うなよ」
- 作詞
ハハノシキュウ
- 作曲
油揚げ
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波羅葦増雲
ハハノシキュウ, 油揚げ
- 1
苦渋と辛酸がディープキスをしてる
ハハノシキュウ, 油揚げ
- ⚫︎
誰にも言えない秘密を作りなさい
ハハノシキュウ, 油揚げ
- 3
小学三年生から目線の高さが変わっていない
ハハノシキュウ, 油揚げ
- 4
頭の中の小説をそのまま海に流すように
ハハノシキュウ, 油揚げ
- 5
内側とも外側とも言えない部分
ハハノシキュウ, 油揚げ
- 6
要点を挙げるとすれば
ハハノシキュウ, 油揚げ
- 7
見えないため息と見えるため息
ハハノシキュウ, 油揚げ
- 8
世界を救うような局面に立たされることがある
ハハノシキュウ, 油揚げ
- 9
運命の人
ハハノシキュウ, 油揚げ
- 10
沈黙の美しさについて
ハハノシキュウ, 油揚げ
- 11
こんなこともあろうかと
ハハノシキュウ, 油揚げ
- 12
波羅葦増雲
ハハノシキュウ, 油揚げ
小説家としてもデビューしている異色のラッパーハハノシキュウと唯一無二のスタイルのビートボクサー油揚げによるアルバム。ビートボクサーとラッパーがコンビを組んでバトルをする破天共鳴によって生まれたユニット。アルバムを通して紡がれる世界観はラップとビートボックスというカテゴリーに含み切れない尖ったものとなった。ディープな世界に潜ってみてください。
アーティスト情報
ハハノシキュウ
・ハハノシキュウ ・無所属 ラッパー/小説家 ・青森県弘前市出身のラッパー/小説家。ラッパーよりも先に小説家を志していたが、新人賞の応募規定が面倒になり心が折れ、ラップを始める。MC BATTLEに出たことで本格的に活動を開始、なぜか一度だけポニーキャニオンからメジャーデビューを経験する。結果的にラッパーとして活動していたことが身を結び、2019年に小説家としてデビューする。
油揚げ
・油揚げ ・無所属 Human Beatboxer ・実験音楽にインスピレーションを受け、独自のテクニックやグルーヴ感を軸にしたBeatboxerとしては唯一無二のスタイルを確立している。 ライブパフォーマンスは基本即興で行われ、空間と調和しながらその場限りの音を奏でる。 ライブ、楽曲制作、バトル、イベント主催など幅広く活動中。