波羅葦増雲のジャケット写真

歌詞

小学三年生から目線の高さが変わっていない

ハハノシキュウ, 油揚げ

ええと、これは、僕の話

少し哀しい悩み

小学三年生から目線の高さが変わっていない

身長は伸びてる

心臓も動いてる

でも、ヘソの少し上あたりで目線が固定されたままピントが止まっている

原因不明、おそらく精神性

低姿勢な人生

そんなネガティブの中にポジティブを見つけるためには目を凝らす必要がある

というか願っている

僕が見つけ出したのは本当にくだらないものだけど、そのくだらなさが生き甲斐みたいにいつもある

駅でエレベーターを待ちながら週末へ向かうような急角度の階段を眺める

同じ学校の女子のスカートの中が漫画みたいに止まって見える

嗅覚を研ぎ澄ます

それは僕の目線が低かったから許された角度で

他の人間には見えない絶妙な距離感が厄除け

思春期という名の太ももの躍動へ

低過ぎる目線を凝らして活路を得る

この世の全てが嫌になってしまうことの方が多い

頭の中の言の葉がもういい、と何度も殺されていく

僕は周りの人間に頭のおかしいやつだと思われている

それでも僕はこの女子のパンチラのおかげで自分の存在を半信半疑より半分以上は肯定できている

女子の後ろ姿は人生に似ていない

盛れている部分しか見せてくれない

盛れていない部分は巧妙に隠されている

女子の後ろ姿はこちらの想像力を勝手に高めて、勝手に盛れた世界を見せようとする

見えない知らないわからない、そんな秘密の部屋だから行き着く扉がある

人生に期待なんかしていないのに

あの日、そんな僕の人生が

いや、人生観が一変したのを覚えている

いつものようにエレベーターを待ちながら、階段を眺めていると

いつものようにパンチラが半開きの瞼から見え隠れしていた

そんな中、一人だけ

たった一人だけ

何も履いていない女子を見つけたのだ

Tバックは見たことがある

だから、それとの違いはわかる

これは見間違いじゃない

あの子は下着を履いていなかった

ノーパンだった

学校の先生は誰にも言えない秘密を持ちなさいと指導していた

僕には友達なんていないから、頭の中にある全てが秘密だと言ってもいい

いや、逆に言えば身体中に穴が空いていてガソリンみたいに漏れ続けているとも言える

だけど、そんな秘密の奥に二重で鍵をかけたような秘密ができたことを嬉しく思った

ガソリンタンクはギリギリのところで守られている

小学三年生から目線の高さは変わっていないけど

  • 作詞

    ハハノシキュウ

  • 作曲

    油揚げ

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波羅葦増雲

ハハノシキュウ, 油揚げ

  • 1

    苦渋と辛酸がディープキスをしてる

    ハハノシキュウ, 油揚げ

  • 2

    誰にも言えない秘密を作りなさい

    ハハノシキュウ, 油揚げ

  • ⚫︎

    小学三年生から目線の高さが変わっていない

    ハハノシキュウ, 油揚げ

  • 4

    頭の中の小説をそのまま海に流すように

    ハハノシキュウ, 油揚げ

  • 5

    内側とも外側とも言えない部分

    ハハノシキュウ, 油揚げ

  • 6

    要点を挙げるとすれば

    ハハノシキュウ, 油揚げ

  • 7

    見えないため息と見えるため息

    ハハノシキュウ, 油揚げ

  • 8

    世界を救うような局面に立たされることがある

    ハハノシキュウ, 油揚げ

  • 9

    運命の人

    ハハノシキュウ, 油揚げ

  • 10

    沈黙の美しさについて

    ハハノシキュウ, 油揚げ

  • 11

    こんなこともあろうかと

    ハハノシキュウ, 油揚げ

  • 12

    波羅葦増雲

    ハハノシキュウ, 油揚げ

小説家としてもデビューしている異色のラッパーハハノシキュウと唯一無二のスタイルのビートボクサー油揚げによるアルバム。ビートボクサーとラッパーがコンビを組んでバトルをする破天共鳴によって生まれたユニット。アルバムを通して紡がれる世界観はラップとビートボックスというカテゴリーに含み切れない尖ったものとなった。ディープな世界に潜ってみてください。

アーティスト情報

  • ハハノシキュウ

    ・ハハノシキュウ ・無所属 ラッパー/小説家 ・青森県弘前市出身のラッパー/小説家。ラッパーよりも先に小説家を志していたが、新人賞の応募規定が面倒になり心が折れ、ラップを始める。MC BATTLEに出たことで本格的に活動を開始、なぜか一度だけポニーキャニオンからメジャーデビューを経験する。結果的にラッパーとして活動していたことが身を結び、2019年に小説家としてデビューする。

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  • 油揚げ

    ・油揚げ ・無所属 Human Beatboxer ・実験音楽にインスピレーションを受け、独自のテクニックやグルーヴ感を軸にしたBeatboxerとしては唯一無二のスタイルを確立している。 ライブパフォーマンスは基本即興で行われ、空間と調和しながらその場限りの音を奏でる。 ライブ、楽曲制作、バトル、イベント主催など幅広く活動中。

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