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『yesterday's dream』

guilt the lilyの新作「yesterday's dream」は、報われることのない努力に満ちた日常を生きながら、いつか幸福が訪れるのか、そしてたとえそれが叶わぬままでも、そんな日々を愛せるのかと問う歌である。

「つまらない昨日を愛してみたかった」という一節には、虚無と希望がせめぎ合う心の叫びが込められている。震える手からこぼれ落ちる盃、言葉のいらない笑顔を分かち合う二人の情景。過去を脱ぎ捨て、ただ笑い合う瞬間を描き出すその詩は、哀しみの中に隠れた微かな希望を感じさせる。

本作は、移ろう時の中で何が愛せるのかを自問し、仮初の夢を抱きながらも足を止めぬ者たちへの賛歌である。guilt the lilyが紡ぎ出す言葉と音が、いつかの幸福に揺れる心にそっと寄り添い、聴く者の心奥深くまで響き渡るだろう。

アーティスト情報

  • guilt the lily

    guilt the lily(ギルトザリリー)日本人男性ヒップホップアーティスト。14歳でhiphopに出会い15歳で本格的に音楽制作を開始。SoundCloudでの活動を経て17歳のとき2023年ファーストアルバムとなる、『marveric』にてメジャーデビュー。1年の時を経てセカンドアルバム『watershed』を3名のアーティストを客演として迎え、2024年3月にリリース。彼自身の苦難を1年の時をかけてアルバムへと落とし込んだ。ジャンルに縛られない多種多様な曲調のサウンドを作り上げる彼は今後J-hiphopシーンを追っていく上で目を離せないアーティストの1人である。

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