歌詞

深紅の薔薇(そうび)は 夜の宝石

月灯りに 咲き誇る

永遠(とわ)の命 冷たいこの身体

時計の針は 動かなくて

けれど今夜ばかりは 魔法がかかるの

オレンジの南瓜(パンプキン)が 灯(とも)り始めて

仮面をつけた 子どもたちの

はしゃぎ声が 窓を揺らす

薔薇と南瓜と 吸血鬼(わたし)

求め合うのは 違う夢

彼らは陽(ひ)の光 私は月光

交わることない 運命(さだめ)なのに

「トリック・オア・トリート！」の 囁(ささや)きに

そっと飴を落とす 君に会いたくて

毎年ひとり この場所で待ってる

カボチャの馬車に 揺られて来る

君の温もり 一瞬の笑顔を

この胸の隙間 埋めるために

教会の鐘が 夜の帳(とばり)を切り

カラスは嗤(わら)う 儚(はかな)さを

それでも私は 時を超えて

たった一度の 約束を信じる

薔薇と南瓜と 吸血鬼(わたし)

飾られた祭り ただの傍観者

君は老いゆく 私は変わらず

飲み干した血は 甘くて苦い

「トリック・オア・トリート！」 叫ぶ君に

触れられない指 震えてしまう

ああ、どうか この月が

私を人間に 還(かえ)してくれますように

君の寿命(いのち)の 灯(ひ)が消えるその時

隣で泣かせて たとえ灰になっても

薔薇と南瓜と 吸血鬼(わたし)

最後の夜明けが 近づいてくる

教会の鐘 鳴り響いて

君は振り向く 私を見つめて

「トリック・オア・トリート…」 途切れる声

世界が白く 朝焼けに消える

また来年の ハロウィーンに…

枯れない薔薇と 冷たい口づけを

君が もう 老(お)いないその日まで…