サマー・リユースのジャケット写真

歌詞

夜学 (Interlude)

唐紅

君があの日打ち明けてくれたことを、今でも思い返しては悲嘆に暮れている。

夏の魔法はやはり偽物で、けれど私たちが見た夏は確かに本物だった。

夕立に濡れたアスファルトの匂い、教室を囲む蝉の鳴き声、かんかん照りの畦道。

誰もが嫌いな二限の前のざわめきに、入道雲の浮かぶ青い空。

人気者だった君も、教室の隅にいた彼女も、同じようにあの空を眺めていた。

ふたりとも窓際の席だったから。

曇りガラス越しに滲んだ君の虹彩を見つめている。

それに映った私の歪な泣き顔もまたよく覚えている。

イヤホンで接続された別世界に囚われてしまっている。

忘れないように思い出してくれ、ソールズベリーまで続く旅路、

湘南と雨晴と祇園の違い、都会に住むティーンが見た景色。

友達だったはずの裏切り者。モラトリアムの終わり。

そこまで感傷的になってしまうのは、きっとあの悲しい映画を観すぎたせいだ。

君が教えてくれた言葉の意味を理解するには、私の心はまだ幼すぎた。

あの日々の中で私たちはもう夜を抜けてしまったのかもしれない。

あの駅はもう廃れてしまったけれど、そこにあった胸のさざめきは嘘じゃない。

もううんざりなのです。誰かの言葉に心を動かされることなど。

……。

最終列車の音が響き渡る。

私と私に優しかったあらゆるものに、どうか不幸が訪れませんように。

それだけが私の願い。

どうか安らかに。

サマー・リユース。君と私のすべて。この世界のすべて。

  • 作詞者

    唐紅

  • 作曲者

    唐紅

  • プロデューサー

    唐紅

  • プログラミング

    唐紅

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