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このアルバム『残光』は、ひとりの老人の記憶を辿る物語です。
彼は幼い頃、戦争で目の前で両親を亡くしました。
焼け野原の空の下に立ち尽くしたその日から、彼の時間は静かに形を変えていきます。
「残光 I ― 焼け野原の空」
すべてを失った瞬間の、赤く乾いた空。
「残光 II ― 闇市場の灯」
生き延びるための灯り。正しさよりも空腹が勝った時代。
「残光 III ― 工場の煙 ― 鉄と野心」
立ち上がる国。煙の向こうに見えたのは希望か、それとも焦燥か。
「残光 IV ― 逃げ続ける光 ― 消えない夜」
失ったものを追いかけながら、夜の中を生き続ける心。
そして、
「残光 V ― 夕暮れのテーブル ― 続いていく光」
街は高くなり、夜は明るくなり、時代は進みました。
けれど彼の中には、あの日の空の色が消えずに残っています。
壊れなかった。
けれど、それだけでは足りない。
それでも人は、生きていく。
静かな食卓に差す光のように、かすかでも確かに続いていくものがある。
この五曲は、大きな歴史ではなく、
ひとりの人間の中に残った光の記録です。
消えそうで、消えないもの。
それを、僕は「残光」と呼びました。