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マッスルな自己顕示や、スポーツ特有の浅薄な応援歌のクリシェを100%パージし、「深夜、見知らぬ異国の街で同じライトを見上げ、言葉も通じないのに何故か涙が溢れてしまうような、優しくも圧倒的な一瞬の連帯」を、BPM115(Fメジャー)の極上なレイトナイト・ポップR&B(late-night pop R&B)へと昇華させた、胸を締め付けるほどエモーショナルな深夜のアンセム・トラックです。楽曲をどこまでも心地よく、それでいてエッジィな推進力で牽引するのは、完璧なデジタルクォンタイズを拒絶して心地よいヨレをはらんだ「生々しいクラップ・リズム(unquantized clap rhythm loop)」と、滑らかにうねる大人のウォーキング・ベースライン(smooth walking bassline)。そこに、甘く洗練されたオーガニックなローズ・ピアノの和音(organic Rhodes chords)と、広大な夜空の広がりを感じさせる温かいシンセパッド(warm synth pads)が合流し、 continuous な引き算の陰影(wide open negative space)を演出します。
最大の特徴は、ヘッドホン越しに耳元で囁かれているかのような、マイクの振動板に唇が圧着する2cmの超至近距離で捉えられた、ピッチ補正(オートチューン)無しの男性リード(2cm capsule-pressed smooth vocal realism)。ヴァースでは少し眠たげな自信と、未編集の脆さ(unedited slight fragility)を覗かせる会話調のフレーズで進みますが、サビ(コーラス)に突入した瞬間、ステレオ幅が左右140%のパノラマへと劇的に全開放され、耳を劈く多層的な万人規模の大合唱(140% stereo panoramic mass choir)へと雪崩れ込み、胸を焦らす多幸感を爆発させます。終盤のブリッジでは、何の前触れもなくすべてのドラムとベースが消滅し、シンセパッドのクッションと、息遣いの汚れ(raw unedited breathing stains)まで生々しく捉えた喉の擦れ音(strained chest whisper)だけになる無警告の引き算(stripped acoustic bridge collapse)を敢行。聴き手が息を呑んだ直後に袭いかかる「1拍間の完全な無音(1-beat total vacuum gap)」という冷徹な空白を経て、マイナス10 LUFSというダイナミクスを殺さない絶妙な音圧のまま最終ドロップへとノーモーションで大爆発します。最後はスタジオの自動フェードアウトに逃げることなく、シンセパッドの長い残響(long fading tail)のなか、言葉の途中でリミッターがゲートを閉じるように遮断され、残響を1ミリも残さずスパッと完全な真空の静寂(instant cutoff)へと着地する大傑作アート・ミニマリズムです。
Negi0723は、感情の揺らぎと都市の空気感を繊細にすくい取るミュージシャン。 エレクトロニックとポップ、オルタナティブの要素を横断しながら、 きらめきとノスタルジー、衝動と内省が共存するサウンドを描き出す。 印象的なメロディと映像的なリリックが特徴で、 一瞬の感情や夜の断片を切り取るような楽曲世界は、 リスナーそれぞれの記憶や物語と静かに共鳴していく。 ジャンルに縛られず、感覚を信じて音を紡ぐ。 Negi0723の音楽は、日常と非日常の境界線をやさしく溶かしていく。