

天窓を覗き込み
頬を撫でる朝の光
寝息ひとつ立てないのね
怖いくらいに
穏やかな眠りが続けばいい
視線を投げてほしい
矛盾した期待は
欠伸をさせる
馴染みのない駅
非難めく朝日が
私を刺した
想ひ出すなよ
想ひ出すなよ
あなたでない誰かが
隣で
寝息を立てていた
気がするけれど
鈴を転がす
声を聴いたような
気もするけれど
私は
思い出さない
宵闇に荒ぶ嵐
折れてしまう老いた梅の木
撓垂れて軒に憑り
未練がましい
うつろ覗く幹
満たすものはない
もう断たれたくせに
花のひとつにも
ならましものを
未だ離れられない
受け取った刃を
枝に沿わせる
想ひ出すなよ
想ひ出すなよ
あなたでない誰かに
かつて
あなたに見せていた
笑顔を向けたような
暗いところで
汗に濡れたような
気もするけれど
私は
思い出さない
ぎいこぎいこと
梅を伐る
ぬるい水に
沈んでゆく
閉じられた瞼を縁取る
しめやかな睫毛
永遠を願った朝のこと
思い出すのは
思い出すのは
あなたでしかないの
教えて
先に目を覚ます
朝があったでしょう
思い出してよ
隣にあった
寝顔を見たのでしょう
なにを思ったの
思い出してよ
花弁が滴り落ちる
もう、伐るべきでしょうか
とうに折れているというのに
離れてく
離れてくれないこの恋を
さめざめと散る
的皪たる
私の白い血
- 作詞者
白瀬陽文
- 作曲者
大橋俊音
- 共同プロデューサー
雪野景色
- レコーディングエンジニア
雪野景色
- ミキシングエンジニア
雪野景色
- マスタリングエンジニア
雪野景色
- ギター
櫻井威和

大橋俊音 の“梅を伐る”を
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梅を伐る
大橋俊音
大橋俊音が今回、編曲の雪野景色に加え、作詞に白瀬陽文、ギターに櫻井威和を迎え描いたのは、春の終わりを告げる切ないロックソング。大橋俊音、2作目となるシングルは、「梅を伐る」。
アーティスト情報
大橋俊音
アレク - 大橋俊音 高音域に特化したテナーシンガー。番組「NHK18FES」における、ONE OK ROCK「We are」での歌唱参加をきっかけに歌手/バンド活動を始める。その後ロックを中心としたマルチジャンルな自身の歌手活動に加え、バックコーラスやゴスペルを中心に学びながら活動中。
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yogisha recordings
